2014年1月5日日曜日

クレッシェンドのテクニック

私たちは音楽を演奏するために様々なテクニックを、演奏体験や練習を繰り返して身につけています。例えば演奏中にクレッシェンドしたいと思えば、ほとんどの人が難なくできると思います。

頭の中で鳴っている音に従っているだけで、もしくはクレッシェンドしよう、音楽を盛り上げよう、音を大きくしよう、そう思うだけでクレシェンドという表現をごく自然に行えているのです。
クレッシェンド=だんだん強く、大きく・・・つまり音を大きくするためにはああして、こうして・・・なんて演奏中考えていませんよね。考える暇もありません。

音をだんだん強く/大きくしていく方法をすでに身につけていて、演奏中に瞬時にその方法を選択し、実行しているのだと思います。


しかし、必ずしも「やりたいと思っている表現」と「実際の演奏」が一致することばかりではありません。


そこで、
・理想のクレッシェンドを表現するために、
・クレッシェンドを効率よく行うために、
・よりラクに行うために、
音を大きくしていくための方法を知っておくことは、とっても役に立ちます。

私たちが普段意識しなくともできているクレッシェンド、実際にはどんなことをしているのでしょう?

◆息と口の連携プレイ!

チューニングB♭でもFでもなんの音でも構いませんので、ある音をロングトーンします。
口・唇はいっさい変えずに、息の量をだんだん増やしてください。

どんなことが起こりますか?
口・唇をいっさい変えずに、息だけ増やしていけば、音程がだんだん高くなり、やがて上の音にひっくりかえります。


次は、先ほどと同じ音で、ロングトーンします。
今度は、息の量はいっさい変えず同じ量で、口・唇をだんだん緩めてください。

今度はだんだん音程が下がって、さらに続けると下の音に変わります。


では、この二つを組み合わせます。
ある音をロングトーンします。
息を増やしながら、口をだんだんゆるめてみてください。
うまく連携できるとクレッシェンドになると思います。


ただ息を増やしていくだけでは、音程が高くなっていきます。
同じ音程を維持し、音を大きくしていくために、息の量を増やしていきつつ、それに連携して口・唇は緩んでいきます。
特に口を緩めているというのは、普段意識しないことかもしれませんね。
クレッシェンドするときに、音が思うように大きくならなかったり、力んだ音や響きが損なわれてしまう場合は、「口を緩める」ことを意識すると、きれいにクレッシェンドできます。


こうした仕組みや、やり方を理解していることで、
・より効率的になる
・表現の幅や種類を広げることができる
・よりラクになる
・生徒や後輩の指導で役に立つ
などメリットがあります。
試してみてください♪



森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ
トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
プロフィール
アレクサンダーテクニークとの出会い

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