2014年6月8日日曜日

脚と呼吸は関係してる!




6月から、地元の吹奏楽団に入団しました。
今日その楽団の合奏練習に参加したときの話なのですが、


今日はウォームアップも気持ち良くできたし、久しぶりの吹奏楽で、ワクワクしながら合奏に出ました。

ところが、いざチューニングが始まると…

目の前にいるユーフォの人が一人で吹かされたり、トランペットも一人ずつ吹かされたり(よくある光景なのですが)…
そんな光景を見ていると、だんだんドキドキ緊張してきて、
曲が始まっても、途中で止まっては、「このパートだけで」「このメロディだけで」という指示が出るたびに、自分じゃないのにドキッとして…

ほんと、よくある光景なんですが、ぼくはこれがとっても苦手なんです(笑)

今回のブログは、「そんな練習しないでおくれよ」という話ではなく(笑)、そんな状況に出くわした時に、自分の習慣的な反応を変えることはできないか。という話です!



で、そんな光景を目の当たりにしながら自分が吹く場面になると、
「間違えちゃいけない」
「音外しちゃいけない」
「指揮者に捕まりたくない」
って思いが強烈に自分を支配して、呼吸が浅くなり、息が全然入らなくなってしまいました。


こうした考えを変える必要があることはわかっていても、その場で変えることは簡単ではありません。
「考え」に直接アプローチしても、あまりうまくいかない時があります。

そんなとき、ふと、今身体はどんなことをしてるだろう??
と、観察してみると、

「あれ?ウォームアップしてたとき、こんなに脚を閉じてたっけ?」


それに気がつくと、脚の付け根の関節(股関節)がじんわりと緩んでいきました。

脚を閉じていたのが問題なのではなく、脚を胴体の方にギュッと引き込むように閉じていたことで、身体全体の自由を奪っていたのでした。


さてギュッと胴体の方に引っ込んでいた脚が、股関節から緩みだすと、胴体が自由になり、呼吸もしやすくなって、さっきまでの「あー、今日はうまくいかない。絶対外れる。そんで何回も吹かされる。」といったネガティブな思考モードが、「まだドキドキしているけれど、胴体が自由になって呼吸もしやすくなって、案外吹けるかも!」と前向きな考えにコロっと変わりました!


演奏してみると、やはり息が吐きやすく、吐いたあとは身体に自然に入ってくるので、気持ち良く演奏することができました。
脚って呼吸に関係してるんだなあと、改めて実感しました。


さらに、観察していると、
「指揮者からトロンボーンや他の楽器に指示があったとき」
「外しちゃいけない、ずれちゃいけないと考えてるとき」
「となりの奏者が、こちらを向いたとき」
のような刺激があると、「ちゃんとやらなきゃ」と思うと同時に、脚を胴体の方に引っ込む動きが起こりました。


そんなときに、「脚はギュッと引き込まなくてもいいんだよな〜。演奏するために脚も動けていいんだ。」
ということを思い出すと、脚はゆるんで、「ちゃんとやらなきゃ」という気持ちの緊張もやわらぎました。



演奏には直接関係なさそうな、脚の習慣的な動きが、実際には演奏でとても大事な呼吸に大きな影響を与えていたのでした。


気づきや学びもあったし、合奏も楽しめたし、充実した練習でした(^^)



ちなみに、脚の付け根の股関節はコチラ!
(bodychanceの骨格標本です。)



森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ
トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
プロフィール
アレクサンダーテクニークとの出会い

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2014年6月1日日曜日

パートで演奏がなかなか揃わないのは、どうして?

昨日、母校の吹奏楽部の練習に顔を出して、トロンボーンパートの練習に参加してたときのこと。



トロンボーンの生徒が2人で練習していたのですが、ある曲のユニゾンのフレーズがなかなか揃わないようでした。



どうやったら、揃うようになるだろう?と聞いてみると、細かいところまできちっと合うまで練習するというような答えが返って来ました。



とっても真剣に取り組んでいる姿勢が伝わってきます。
そのとき、ふと揃えるためには他のやり方(考え方)があるかもしれないと思い、こんなゲームをしてみました。



2人一組で向かい合います。
仮にAさん、Bさんと呼ぶことにします。

・Aさんは自分の動きたいように体を動かす
・Bさんは、Aさんの動きを(ほぼ同時に)そっくり真似する
・これを2〜3分続ける、ABの役割を交代してもう一度する
(Aさんはだんだんと複雑な動きを取り入れてみてください。)

・Aさんは(①と同様に)自分の動きたいように動く
・Bさんは、今度はAさんを見ながら、全然違う動きをしてよいし、Aさんと同じ動きに合わせてもいい、と思いながら動く
・2〜3分続けて、役割を交代してもう一度する






①と②では、どんな違いが起こるでしょうか?
見ていた僕と、ゲームを体験した生徒が思ったことは、

①は動きがぎこちなくなるのに対し、②はAさんもBさんも動きが自然になること。
②は2人の動きが違ったりするけれど、一体感がある。動きのテンポ感は自然と合っている。対話しているように見える。
②は、動きを真似しなくていいのだけど、相手の動きに自然に合わせたくなった。

といったものでした。もちろんゲームの結果、気づくことや感じることは人それぞれかと思います。

このゲームをしてから、もう一度、例のフレーズを演奏してもらうと、今度はぴったりと揃いました…!

なぜ、これだけで今まで揃えるのに苦労していた部分が揃ったのだろう…?


考えられるのは、
②は、お互いただ好き勝手に動いているわけではなく、相手を見ながらすることで、相手との関わりが生まれています。
相手の動き、自分の動き両方に気づいていられることができます。

②は、動きを選択する自由があります。そのことで、身体はより柔軟に動くことができると思います。

他にもあるかもしれませんが、このようなことが演奏にも関係してるのではないかと思います。



揃えることを頑張りすぎて、身体が緊張してうまくいかなかったり、そうすることで、揃ってはいるけど音が硬くなってしまう、身体が疲れる場合は、少し視点を変えてみるといいのかもしれないと思いました。



森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ
トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
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