2013年9月18日水曜日

自分の体格を活かして吹く

9月16日、バジルクリッツァーさんの『管楽器のためのアレクサンダーテクニークセミナー』にお手伝い兼受講生として参加させて頂きました!

その中で、個人的にレッスンしてもらった内容をシェアします。

レッスンの中で見てもらったのは、『大きい音』について。
吹奏楽や、オーケストラの中で大きな音を吹いても埋れてしまうのが悩みでした。

『大きな音』を意識して吹くと、体に変な力が入って息が吐きずらかったのですが、レッスンの中で体がどんどん息を吐くこと自体はかなりラクになりました。

大きい音を吹くときに
・息をたくさん吐く
・口は緩めてあげる
・タンギングを強めにする
というアドバイスを頂きました。

ここまででかなりヒントをもらったんですが、それを素直に実行できない自分がいる。なんでだろう。

『息をたくさん吐くことや、
それに伴って口を緩くすることを恐れていない?』
と聞かれてピンとくるものがありました。

ひとつは、大学の頃からよく力が入りすぎていると言われていたし、自分でも当時の奏法になにか限界のようなものを感じていて、ある時から『力が入ること』=悪いこと、だと自分の中で言い続けてきたことが原因かも。
だから息をたくさん吐くという、より力を使うことに対して抵抗があったんです。
バジルさんから教わった上記のアドバイスは当時僕が自然にやっていたことと似ています。しかし当時それらのことを自分で『禁止』したことが今も強く残っていたのですね。
このあたりのことは自分自身でもっと深く掘り下げれそう。今わかるのは、その当時、自分の演奏に対して『コントロールの効かない、ただうるさいもの、雑なもの』と思っていて、理想にしたいのは、『もっと効率的な息の使い方や労力で、コントロールできている演奏』でした。
現在の僕の理想とはだいぶ違いますが、当時思っていたことをそのまま言葉にするとこんな感じですね。

さて、ここでもう一つ思い出したことがありました!
大学のころ、常に意識していたプレイヤーがいたこと。その人はとても身近な人で、よく一緒に演奏させてもらうことがあったのですが、その人の奏でる音にすごく憧れていたんです!

『(僕よりも体が小さいのに)よく響いてて、アンサンブルの中でもよく聴こえて、心地よい音色、いいなあ・・・』といつも思っていました。そしてその人の演奏こそ、僕には『効率的で無駄がない』ように思えたのです。
だから自分が演奏するとき、いつもその人の吹き方や姿がイメージにありました!
もちろん僕とは体格が全然違います!
けど吹くときにその人の姿まで、真似しようとイメージしていたので、体に『小さくなれ』と言っていたのとほとんど同じです。もちろん小さくなれと言われても小さくなれるはずないので、体をギュッと固めて緊張するようなことをしていたようです。



【自分の身体のサイズを再認識】
バジルさんからの提案で、

上を向いて天井を見る→天井と自分の距離を確認する


下を向いて床を見る→地面と自分の距離を確認

右を見て右側の壁との距離を確認
左を見て左側の壁との距離を確認

今度は、前を見て前の壁との距離を確認。後ろを見て後ろの壁との距離を確認。
こうすることで、自分の身体のサイズが再認識されていく。窮屈なものが緩んでラクになる感じがしました。

そして、その自分のサイズを意識の中に入れながら、大きな音で吹きたいフレーズを吹いてみる。

最初に書いた、身体の力みや息の吐きづらさが全くなくなって、今までと比べて大きな音が出ました!
何より、久しぶりに自分の体格を使って思いきり吹けたのがとても気持ちよかった!

次の日さっそく吹奏楽の本番で試しました!自分の体格をそのまま使って、必要な力を遠慮なく使うことを許すと、いつもよりアクティブに演奏できました。今までと違うけど、なんかこれが自分の音だって実感がある。
指揮者から「トロンボーンが聞こえない」と言われた箇所も普段よりラクに大きい音で吹けた!
指揮者の方がにこっとしてくれたのも見えましたよ(^^)笑

色んな演奏家の音を聞いて、こんな音を出せたらいいなと思うことはしょっちゅうあるけど、楽器の音色は、人それぞれ違いますよね。身体の使い方も違えば、使っている身体自体、誰一人同じ人はいません。
自分の求めるいい音色は、自分自身をフル活用できた時に出せるのかもしれません♪

ほんとちょっとしたことを思い出しただけなんだけど、今回のレッスンでは、それが大きな変化をもたらしてくれました!



森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
プロフィール
アレクサンダーテクニークとの出会い

レッスンのご依頼について
 

2013年9月14日土曜日

10ヶ月ぶりの音だし 以前の感覚と違ってOK!

今日は、トロンボーンの方とレッスンさせて頂きました!

楽器を吹くのは10ヶ月ぶり、明日から久々の本番に向けて復帰されるそうで、少しお手伝いさせて頂きました!

・以前と感覚が違っていい
・吹きながら今の自分の音を聴いてあげる
ということを考えて吹くと、とても吹きやすくなった様子。響きも増してました!

加えて、音を出すために必要なことを明確にするために、今回は楽器を口まで持ってくることと、息を上に吐くということを意識して吹いてもらうと、さらに伸びのある音になりました(^^

ブランクから楽器を久しぶりに奏でるのが不安な時に、「以前と感覚が違うことを歓迎する」「今の自分の音を聴いてあげると」と取り組みやすいのかもしれません♪





森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
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2013年9月10日火曜日

音楽そのものを信頼する

2ヶ月ぶりにボディチャンス校長のジェレミーのクラスを受講しました。刺激的な学びが盛りだくさんでした!!

今日紹介するのは、中でも特に印象深かった内容。

クラシック音楽を演奏する人は、楽譜を見て、楽譜に書かれてる音符や記号、標語を見て演奏しますよね。

作曲家の残した音楽(楽譜)を見て、自分の解釈を通して演奏する。僕はそんなイメージを持っています。

しかし、僕はそれをする中で『歌わなくちゃいけない』『表情をつけなくちゃいけない』という考えが強くありました。
それは、まだ演奏に必要な技術を備えてない頃、楽譜に書いてある音を一つ一つ追いかけて鳴らすのに精一杯だったころに『もっと歌にして』『音楽にして』と教わったことがきっかけかもしれません。

だんだん『自分には歌心がないから歌わなくちゃ音楽にならない』『ただ楽譜を見て吹くだけではいけないんだ』と思うようになりました。最初のうちは『歌』を意識することでうまくいっていましたが、だんだん『歌おう』から『歌わなくちゃ』に変わって、それが緊張を引き起こして、ぎこちなくなってしまい、さらに『歌おう』として返ってガチガチの演奏になってしまっていたのです。
『歌心のない自分はなにかを付け加えなくちゃいけない』そんな捉え方をしていたためにプレッシャーも相当感じていました。

今回たまたま他の方が受講されているレッスンの中で表現に関する話題が出たのですが、ジェレミーからその方に向けられた言葉は、

『感情は、音楽が引き出してくれるから、書かれている音楽そのものを信頼して、楽譜に書いてある音楽を演奏してみて』

すごく深い言葉だなあ。これまでの自分の考えがひっくり返る言葉なのになんかすごく説得力ある。なんてことを思っているうちに、受講生の方が再び演奏する・・・

すごい!全然ちがう!
本当にびっくりしました。
一度目の演奏も素敵だったけど、ジェレミーと話してからの、二度目の演奏の方がとても表情豊かに聞こえる。音楽に身を任せているような印象を受けました!

重要なのは、二回目は『表情をつけよう』とするのをやめたこと。なのにさっきより表情豊かになってる。



もちろん、音楽を演奏する上で、歌うことや、表現の仕方を学んだり考えたり、探究することは大事なことだと思います。
『歌おう』『表情をつけよう』『表現しよう』と思いすぎて、あるいはそれらのことをしなくちゃいけないと思うことで、うまくいかないなあと感じたら、書いてある音楽そのものを信頼して、出したい感情は音楽が引き出してくれる、書いてある音楽をそのまま演奏してみると、自分の中にある心地いい音と歌が出てくるかもしれません(^^)




森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
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2013年9月3日火曜日

自分の望みを見つける

先日、高校のとき師事していた先生と金管五重奏の本番でした。
3日前のリハーサルの段階から極度に緊張して、リハでも音がうまく出なくなって、本番までの二日間、調子が悪くなり楽器を吹くことが苦しくなっていました。

「このままじゃ失敗する」「もう呼んでもらえなくなる」「本番行きたくないなあ」とか色々考え始めちゃって。

とは言っても、一度引き受けてリハにも参加した仕事、行くしかない。

こういう時こそ、アレクサンダーテクニークを使ってみようと、今まで教わったことやってみるけど、どれもうまくいかない。...

前日の夜、「やばい。ほんまどうしよ。」って思ったとき、ふと、
『何に対して、こんなに恐怖を感じてるんだろう』と考え始めて、自分の考えていることを一つ一つつまみ出して見ると、『失敗』という言葉に過剰に反応しました。そして『失敗しないようにアレクサンダーテクニークを使おう』としていたのですね!

自分の思考がある程度特定されていくと、『明日って金管五重奏やんね、金5って僕が1番好きなアンサンブルやんか!』と、ここですごい大事なこと思い出しました!

じゃあ単純に金管五重奏の中で演奏したい!演奏するためにアレクサンダーテクニーク使おうってやってみたら、さっき試していたプランもうまく働くようになってようやく自分らしい音になってきた
内心、間に合ってよかったとホッとしました(^^;;


今まで教わってきたことや、身につけてきたことは、自分のやりたいことのために得たもので、やりたいことのために機能するんですね!
それは、失敗しないために身につけたものではないということに改めて気づかされた体験でした。



 

森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
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