2015年1月31日土曜日

今その瞬間、これから奏でる一音一音を大切に。

今その瞬間の音に意識を向ける。
一音一音大切にする。
っていうのは、どういうことなんだろう?

今日のレッスンで、そんなことが話題にあがりました。

自分もこのことは、人から教わったことがあるし、レッスンを受けてくださった生徒さんも意識していらっしゃることでした。

今その瞬間の音ってどの音でしょう。
演奏中に聞こえてくる自分が出した音は、全部自分が演奏した結果です。ということは、その聞こえてくる音に意識を向けてよくしようとしても、既に出てしまった音ですから修正したり、変えたりすることはできません。

さらには、その結果として出た音に意識を向けているということは、次に出る音のことはおろそかになっていると思ったんです。

感覚的に言えば、実際に鳴った音を「今」と感じるかもしれませんが、この「今その瞬間の一音一音」というのは、実際に鳴る前の、頭の中にある音楽のことではないかと思います。

頭の中にある音楽だったら自分の思い通りにできるし、いくらでも変えていくことができます。
結果として出た音は、意識を向けなくても、ちゃんと自分に聴こえています。
だったら変えようのない出た音に注意を払うよりも、頭の中をこれから奏でる音楽でいっぱいにした方が、自分が理想としている演奏へと近づく可能性がぐんとあがると思うんです。

もともとこの考え方が自分の頭の中にあったわけではありませんでした。生徒さんとの話の中で見つけることができた、自分にとってしっくりとくる答えでした。

そして生徒さんの演奏にも素敵な変化が見られてよかったです。



森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ
トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
プロフィール
アレクサンダーテクニークとの出会い