2014年10月23日木曜日

本番当日の不安に、前もって現実に即したプランを立てておく

以前、本番当日の自分の行動についてあらかじめ見通しを立てておくことが本番の演奏にとても役に立った、というお話をブログに載せました。
(その時の記事はこちら➡︎http://sukoyaka-trb.blogspot.jp/2014/01/blog-post_26.html?m=1



つい先日のレッスンでそのことを話していて、そのレッスンを受けていた方から「本番当日で役に立った」と嬉しいご報告を頂いたので、そのことについてまた考えてみました!



本番の日は、普段なかなか味わえない緊張感とともに、想定外のことが起きることもよくありますね。
僕は、お客さんの存在や演奏するステージ、共演者、またコンクールやオーディションでは他の出場者・受験者たちの存在から刺激をうけて不安になったり、これから行う演奏に対してネガティブな考えになったりすることがあります。



僕にとって、特に不安になったり、頭が真っ白になりやすい三大ポイントは、

①(コンクールやオーディションで)楽屋や舞台袖で他の演奏者の演奏を聴いたとき。
②舞台袖からステージ(お客さんの前)へ出ていくとき
③演奏中に、練習であまりうまくいかなかったフレーズ、音にさしかかったとき

です。
一つ目と二つ目は、本番当日じゃないと経験できないことだと思います。
でも、演奏会に出演する・コンクールやオーディションを受験するといった経験があれば、あらかじめ予期することもできますね。


つまり本番当日にしか起こらない不安や緊張についても、前もって考えて準備しておくことができたのです。


①本番前に楽屋や舞台袖で他の受験者の演奏を聴いて不安になる…

これに対して、僕自身にとても役にたったのは、とってもシンプルですが、あらかじめ「他の人の演奏も聴く!」と決めておくことでした。


「決めておく」という部分がポイントで、なぜならコンクールやオーディションで他の受験者の演奏を聴かなくて済むことは、ほとんどあり得ないからです…!


以前は、他の人の演奏を聴いてしまうことがかなりおっくうでした。自分の演奏と比べてしまい自信を無くしてしまい、ウォームアップやリハーサルに集中できなかったからです。



けれど、聴いてしまうことを避けるのは現実的ではありません。

音だしはしておきたいし、部屋の外にいたって聞こえてくるし、本番前は舞台袖で前の人が演奏し終えるまで待機しないといけないし…!


なので聴くことを避けようとするのは現実に反してしまいます。
それこそ、余計なことに注意と労力を注いでしまっていました。



そこで、「他の人の演奏を聴く」と決めたのです。


僕の経験ですが、これを決めておいたことで、他の人の演奏を聴いても自分と比べたり、不安になったりしなくなりました。
いつもより「聴く」が積極的なので、それぞれの演奏が個性的で、自分の解釈・演奏とは違うことがよくわかります。
そのとき、自分の演奏が劣っているとか上手いとかではなくて、ただ違うんだな。それは当然のことだな。と思えました。


そして受け入れてしまえば、自分の音へも集中しやすいのでした。


ウォームアップやリハーサルに集中できると、本番でのいい演奏にも繋がりやすいですね。





こんな風に、自分が不安になりやすい場面について、前もって考えて、現実に即したプランを準備しておくことが、本番でパフォーマンスを引き出すことに役立つのではと思います(^^)


②と③についても、次回の記事で書きたいと思います。





森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ
トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
プロフィール
アレクサンダーテクニークとの出会い
























2014年10月2日木曜日

唇スタッカート!

僕は、スタッカートのついた音符を演奏することに苦手意識を持っていたのですが、このごろ改善の兆しが見えてきたのでそのことについて書いておこうと思います。


具体的に、こういう傾向がありました。
・響きがとまってしまう
・音が鳴らないことがある

スタッカートというと、音を分離させる、とか、短くすると解釈することが多いです。
短い音を吹くときに、響きがとまってしまったり、うまく発音できなくなるのはどうしてなのか考えて見ました。


そこで気がついたのは、音が鳴り始めるまでの動き。
つまり、発音する動作です。

音が鳴るまでの、音を発音するために起こる動きは、長い音を吹くときも、短い音を吹くときも、同じ動きなのではないかと思います。


発音するために起こる動きは、主に唇を閉じあわせる、唇とその周辺の動きのこと。(もちろん、他にもあると思います!今回気がついたのは唇についてでした。)


音を短くするために、発音するという動作自体も短くしようとしていたのか、原因ははっきりとわかりませんが、唇を動かないようにと止めていました。

でもそれは、そもそも音を発音するために必要な動きを止めていたことになるのですね。

響きがとまったり、鳴りにくい理由はここにあったように思います。


スタッカートを演奏するために、唇もその周辺も動けるようにしてみよう。

そうすると、音も当たりやすく、響きもとまることはほとんどなくなりました!


始めは単発の音で効果を感じていましたが、スタッカートの八分音符を連続して演奏するような場面でも、一音一音に対して、唇とその周辺による発音という動作が毎回繰り返し起こるんだと思うと、これまた響きがよくなり、一つ一つの音が以前よりもクリアになりました。


ちなみにこれは、先日オーストラリアから来日していたアレクサンダーテクニーク教師のグレッグ先生とフルート奏者の方とのレッスンからヒントをもらいました!



森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ
トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
プロフィール
アレクサンダーテクニークとの出会い