2016年1月24日日曜日

細やかな技術は、自由さから。

今日は、海外から来日中のアレクサンダーテクニーク教師グレッグホールダウェイ先生の1日クラスでした。

実は、先週まで指揮の本番があり、年明けから楽器をほとんど吹いてなかったのですが、年末に練習していた曲を見てもらうことにしました。

音出しもせず、楽器も冷たい…
こんな状態で音が鳴るのかと思いつつ演奏しようとすると、グレッグ先生から『ちょっと待って』と。


音を出す前に、身体はどこでも全部動けるよ!と。
そして楽器を置いて、その場で歩いたり胴体を曲げたりねじったり。


そうしてから、曲を演奏してみると1音目から響きのある音が鳴ってくれました。


さらに、『空気は上に行くんだよね?それで唇のところで振動が起こる。そこから空気がどこに向かうかなんて関係ない。楽器の管に息を通そうと思わなくてもいいんだ。』

そうすると、先ほどよりもアンブシュアが自由に動けるようになり、さらに演奏しやすくなりました。


自分にとって驚いたのは、全く音出しをしていない状態でも、出したい音が出たこと。
それも他のクラスメイトが皆見ている状況で。


最初の時点で止められたのは、演奏しようと決めたときから身体の動きを止めていたから。
具体的にはトロンボーンを持ち上げる時に顕著に起こっていた上体の反りが骨盤を固定していたようです。
また自分では気づけなかったけど、まだ持ち上げていない楽器をただ手にした瞬間から上体を反る傾向にあったのでした。


グレッグ先生が言うには、
『細やかな動きを見て行く前に、まずはその人の自由さから。その人が自由であれば細やかで緻密な動きも機能していく。』

だからアンブシュアよりも、頭蓋骨と脊椎、骨盤が動けることを促してくれたんですね。



その日1日の音の出し始めや、曲を演奏する時の1音目って自分にとっては、アンブシュアばかりに意識が集中し、そこから徐々に自由さを見つけるような感じでしたが、初めから身体全体が動けること、自由なところから始めることがアンブシュアが機能するためにより有効な考え方だと体験することができました。





森岡尚之 / もりおかなおゆき
 
2012年大阪音楽大学トロンボーン専攻卒業。トロンボーンを今田孝一・呉信一各氏に師事。
2013年よりボディチャンス大阪でアレクサンダーテクニーク教師養成課程に在籍。
2015年8月ボディシンキングコーチ取得。
同月7-10日に滋賀県で開催された、宝塚歌劇オーケストラトロンボーン奏者/山下浩生先生の主催するトロンボーン合宿にて、ボディシンキングコーチとしてデビューレッスンを行う。
 
アイデア音楽教室トロンボーン講師/ボディシンキングコーチ