2014年5月1日木曜日

失敗できる練習環境にしよう!

先日、母校の吹奏楽部を訪ねて、「パート練習と先輩・後輩の関係」について講座をさせていただきました。

僕自身が学生のころ、優秀な後輩だったわけでも、優秀な先輩やパートリーダーであったわけでもありませんが!
なぜこのテーマで講座をしたかというと、今年の母校の定期演奏会で指揮をさせて頂くことになり、合奏練習に参加したときのこと。
合奏が始まる直前まで、生徒たちの音だしや練習をする音が、とても活き活きとして、楽しげで、どんな合奏になるのか楽しみにしていたのですが、いざ合奏を始めてみると、それまでの活き活きとした音ではなくなってしまったのです。
なんだかそれまでよりも「縮こまった」印象を受け、違和感を感じました。この違和感はもしかすると、自分が学生のころから抱いているように思います。
もちろん合奏のほうが緊張することもあるだろうし、会ったばかりの指揮者ならなおさら。僕の指揮の力量にもよるだろうけど、僕が感じた違和感はそれだけではないように思えたのでした。
そこで、普段の練習環境について、生徒たちと考える時間を作ってみたかったのです。


・失敗できる環境=失敗そのものが学びになる練習にしよう!

合奏のときに感じた違和感の一つが「失敗、またはまだできていない=誰かに迷惑をかけてしまう、だから失敗しちゃいけない/したくない」という空気でした。(あくまで僕自身が個人的に感じたことですが。)

生徒たちに「失敗」についてどんな印象をもつか訪ねてみたところ、意外にもポジティブな意見が多く返ってきました。
「失敗は次につながる、活きる」
「失敗をしながら成長する」
といった意見です。

失敗には、成長に不可欠な情報がたくさん詰まっていると思うんです!

失敗は、「やろうとしていることと、実際に起こったことが違う」ことを教えてくれ、やろうとしていることを実現するやり方について、様々な情報を与えてくれています。

まだ出せない音域や、まだ吹けないフレーズにチャレンジするときにも同様のことが言えると思います。

たとえ意識していないとしても、私たちは失敗から受け取った情報をもとに、次に実行するプランを構築しています。

ですが、「失敗しちゃいけない」「迷惑をかけちゃいけない」という考えにとらわれてしまうと、もともとの目的を歪めてしまい、本来成長(目的)につながるはずの失敗が、活かせなくなってしまうことがあります。
つまり、「失敗しないように」や「迷惑をかけないように」演奏することは、もともと本来の目的ではないはずです!

失敗自体は自分のためにもバンドのためにも、いい働きをしてくれるものではないかと思います。
もちろん、誰だって失敗したいわけではありませんよね。悔しかったり恥ずかしかったりするのも自然だと思います。
けれど、演奏に関していえば、誰かの迷惑になるものではありません。
望んで起こすものではないけど、起きたら歓迎してみましょう!


自分に対しても、仲間や後輩に対しても、「失敗してもいい」と許しを出して、「こんな演奏がしたい」という目的を持ってチャレンジし続けられる練習にしていきたいですね!

この記事を書きながら、小学生のころ休み時間に校庭でサッカーをしていたときに、サッカーが大好きな友人が、シュートを外したり、相手にボールをとられてしまう僕に対して、いつもすかさず「ドンマイ!!」とフォローしてくれていたことを思い出しました笑

吹奏楽は演奏中は話せないし、部活だと合奏中に話しにくい雰囲気があったりして、ある意味孤独ですよね。だからこそ、自分に対して「失敗してもいいから、やってみよう」と励ましたり、パート練習の中で仲間をフォローしたりコミュニケーションをとることは大切なのかもしれません。


以前は、僕自身演奏するとき、失敗に対してとても神経質で、「失敗しちゃいけない」と考えていました。「失敗してもいい」と言われても、そんな甘くちゃ上手くなれないよ!って思っていました。けれど今の自分にとって「失敗してもいい」というのは、リスクを冒すことで、自分のやりたいことと向き合うことで、自分にとって本当に必要だった厳しさなんだと思います。