2014年6月1日日曜日

パートで演奏がなかなか揃わないのは、どうして?

昨日、母校の吹奏楽部の練習に顔を出して、トロンボーンパートの練習に参加してたときのこと。



トロンボーンの生徒が2人で練習していたのですが、ある曲のユニゾンのフレーズがなかなか揃わないようでした。



どうやったら、揃うようになるだろう?と聞いてみると、細かいところまできちっと合うまで練習するというような答えが返って来ました。



とっても真剣に取り組んでいる姿勢が伝わってきます。
そのとき、ふと揃えるためには他のやり方(考え方)があるかもしれないと思い、こんなゲームをしてみました。



2人一組で向かい合います。
仮にAさん、Bさんと呼ぶことにします。

・Aさんは自分の動きたいように体を動かす
・Bさんは、Aさんの動きを(ほぼ同時に)そっくり真似する
・これを2〜3分続ける、ABの役割を交代してもう一度する
(Aさんはだんだんと複雑な動きを取り入れてみてください。)

・Aさんは(①と同様に)自分の動きたいように動く
・Bさんは、今度はAさんを見ながら、全然違う動きをしてよいし、Aさんと同じ動きに合わせてもいい、と思いながら動く
・2〜3分続けて、役割を交代してもう一度する






①と②では、どんな違いが起こるでしょうか?
見ていた僕と、ゲームを体験した生徒が思ったことは、

①は動きがぎこちなくなるのに対し、②はAさんもBさんも動きが自然になること。
②は2人の動きが違ったりするけれど、一体感がある。動きのテンポ感は自然と合っている。対話しているように見える。
②は、動きを真似しなくていいのだけど、相手の動きに自然に合わせたくなった。

といったものでした。もちろんゲームの結果、気づくことや感じることは人それぞれかと思います。

このゲームをしてから、もう一度、例のフレーズを演奏してもらうと、今度はぴったりと揃いました…!

なぜ、これだけで今まで揃えるのに苦労していた部分が揃ったのだろう…?


考えられるのは、
②は、お互いただ好き勝手に動いているわけではなく、相手を見ながらすることで、相手との関わりが生まれています。
相手の動き、自分の動き両方に気づいていられることができます。

②は、動きを選択する自由があります。そのことで、身体はより柔軟に動くことができると思います。

他にもあるかもしれませんが、このようなことが演奏にも関係してるのではないかと思います。



揃えることを頑張りすぎて、身体が緊張してうまくいかなかったり、そうすることで、揃ってはいるけど音が硬くなってしまう、身体が疲れる場合は、少し視点を変えてみるといいのかもしれないと思いました。



森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ
トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
プロフィール
アレクサンダーテクニークとの出会い

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