2013年11月2日土曜日

ブレスを吸うためには、演奏を一旦やめる!

曲の途中でブレス(息継ぎ)をとるということは、
・一旦そこで演奏をやめ
・呼吸を始めて(息を吸って)
・また演奏を始める
という三つの動作の連続と言えます。

え、演奏をやめるってどういうこと?って思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
管楽器演奏では、しばしばフレーズをつなげるために「短いブレス」「早いブレス」が要求されることがあります。
僕は長い間、どうすれば音楽の流れを切らずにフレーズをつなげられるブレスをとれるのかわからないでいました。「息持たないし、吸いたいけど、(フレーズが)切れちゃいけない。切れないように吸おうとするとうまく吸えず苦しいし、逆に流れが不自然になってしまう。どうしたらいいの!?」という感じで本当に混乱していました。なので今でもブレスに苦手意識を持っています。

息継ぎをするということは、そこで音がなくなる間が生まれます。
なぜなら演奏中は息を吐き続けていて、ブレスをとるときは、息を吐くのをやめて息を吸うからです。と、当り前の話なんですが・・・つまり息を吸うためには演奏(息を吐くこと)をやめることが必要なのです。


吐くとき、吸うときで働く筋肉は違います!

なのでブレスをとるときには、それまでの吐くために働いていた筋肉の活動をOFFにする必要があります。そうしないと息を吸おうとする動きに対して、息を吐こうとする動きが吸うのを邪魔してしまうのですね。
一番わかりやすいのは腹筋です。腹筋は、息を吐いているときに働き、息を吸うときには休んでいる筋肉です。

もし、ブレスをとるときに、腹筋が働いていたら、思うように息が吸えず、返ってブレスが長くなってしまったり、次のフレーズで息が持たなくなってしまう可能性があります。
フレーズをつなげるといっても、特別な場合を除いてそこに全く間がないわけではありません。
むしろ、その「間」こそ音楽の流れの大事な要素になるので、ブレスをとるときに以下の三つのことをする時間と自由を自分に与えてみてください。

①一旦演奏をやめる
②呼吸を始めて(息を吸って) ←これは演奏をやめれば勝手に起こるので意識しなくていいかもしれません
③また演奏を始める

どれだけ早いブレスでもこの三つのことをしています。
ならばどれだけ早く演奏をやめれるか、「演奏モード」を解除できるかがポイントになります。



試してみたい方は、一度簡単なゆったりとしたフレーズでやってみてください。

1フレーズごとに、「演奏をやめる」⇒「演奏を始める」を繰り返してみるとどうでしょう?

ブレスの間はどれだけあけても構いません。一度演奏をやめる時間と自由を作ってください。
そうすると思ったより長いブレスになったとしても、不自然にならないと思います。
いつもより落ち着いてたっぷりと息が入ってきませんか?
「演奏をやめる」を「アンブシュア解除」とか「腹筋はOFF」など言い換えてもいいと思います。




森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍プロフィール
アレクサンダーテクニークとの出会い

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