2013年9月10日火曜日

音楽そのものを信頼する

2ヶ月ぶりにボディチャンス校長のジェレミーのクラスを受講しました。刺激的な学びが盛りだくさんでした!!

今日紹介するのは、中でも特に印象深かった内容。

クラシック音楽を演奏する人は、楽譜を見て、楽譜に書かれてる音符や記号、標語を見て演奏しますよね。

作曲家の残した音楽(楽譜)を見て、自分の解釈を通して演奏する。僕はそんなイメージを持っています。

しかし、僕はそれをする中で『歌わなくちゃいけない』『表情をつけなくちゃいけない』という考えが強くありました。
それは、まだ演奏に必要な技術を備えてない頃、楽譜に書いてある音を一つ一つ追いかけて鳴らすのに精一杯だったころに『もっと歌にして』『音楽にして』と教わったことがきっかけかもしれません。

だんだん『自分には歌心がないから歌わなくちゃ音楽にならない』『ただ楽譜を見て吹くだけではいけないんだ』と思うようになりました。最初のうちは『歌』を意識することでうまくいっていましたが、だんだん『歌おう』から『歌わなくちゃ』に変わって、それが緊張を引き起こして、ぎこちなくなってしまい、さらに『歌おう』として返ってガチガチの演奏になってしまっていたのです。
『歌心のない自分はなにかを付け加えなくちゃいけない』そんな捉え方をしていたためにプレッシャーも相当感じていました。

今回たまたま他の方が受講されているレッスンの中で表現に関する話題が出たのですが、ジェレミーからその方に向けられた言葉は、

『感情は、音楽が引き出してくれるから、書かれている音楽そのものを信頼して、楽譜に書いてある音楽を演奏してみて』

すごく深い言葉だなあ。これまでの自分の考えがひっくり返る言葉なのになんかすごく説得力ある。なんてことを思っているうちに、受講生の方が再び演奏する・・・

すごい!全然ちがう!
本当にびっくりしました。
一度目の演奏も素敵だったけど、ジェレミーと話してからの、二度目の演奏の方がとても表情豊かに聞こえる。音楽に身を任せているような印象を受けました!

重要なのは、二回目は『表情をつけよう』とするのをやめたこと。なのにさっきより表情豊かになってる。



もちろん、音楽を演奏する上で、歌うことや、表現の仕方を学んだり考えたり、探究することは大事なことだと思います。
『歌おう』『表情をつけよう』『表現しよう』と思いすぎて、あるいはそれらのことをしなくちゃいけないと思うことで、うまくいかないなあと感じたら、書いてある音楽そのものを信頼して、出したい感情は音楽が引き出してくれる、書いてある音楽をそのまま演奏してみると、自分の中にある心地いい音と歌が出てくるかもしれません(^^)




森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
プロフィール
アレクサンダーテクニークとの出会い

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