2015年11月25日水曜日

トロンボーン奏者の左手のために①

トロンボーン奏者の左腕のために



この頃、練習をする中で
・音がキレイにつながらない
・演奏中、楽器がぶれる
・左腕が疲れやすい

ということについて考えてみました。
楽器がぶれるから音がキレイに並ばないのか?

楽器がぶれないようにしようと思ったとき、楽器を安定させるために左手で楽器をしっかり固定し、身体もなるべく動かないようにしているのに気がつきました。

楽器を左手で固定、身体も動かないようにすると、音のつながりはさらにぎこちなくなり、余計に左腕も疲れてしまいます。


トロンボーンは、演奏中スライドが伸縮するため絶えず重心が移動します。
楽器自体が大きく、重さのあるものなので、動き続けるトロンボーンを左手「だけ」で捕まえておくのは大変です。

以前アレクサンダーテクニーク教師のサラ・バーカーさんは、水の入ったペットボトルを逆さにして手のひらの乗せながら、動物がバランスをとり続けるためには動いている必要があると仰っていました。


直立した状態で、腕を大きく振り回します。

頭から胴体、脚にかけて、つまり腕以外を動かないように固定する場合と、逆に固定せず動けるようにしながらする場合と2回試します。

どちらの場合も腕が動くことで、身体の軸や脚も影響を受けると思います。

そして軸・脚を固定していた時と、動けるようにしていた時とでは、動かしている腕のラクさや動かしやすさに違いがあったのではないかと思います。


トロンボーンを持ち上げる時、トロンボーンを演奏する時も、頭から胴体、脚にかけてを動けるようにすると、トロンボーンの重さやバランスの変化、右腕とスライドの動きを左腕だけで支えずに、身体全体がサポートしてくれるようになります。

トロンボーンを持つのは左手だけではなく身体全体で支えていると、左手の負担も減るし、楽器のぶれも少なくなるのではと思います。

僕自身は音のつながりがスムーズになり、発音のしやすやに変化が出たのと、音もあたりやすくなりました。

発音や音のあたりはずれは、今まで唇や舌、息中心に考えていましたが、楽器を持つ・構えるという動作…楽器をどう扱うかという点に直接つながるこの動きが、演奏技術の向上や発揮にとっても大きな可能性を持っているんじゃないかと感じます。






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森岡尚之 / もりおかなおゆき
 
2012年大阪音楽大学トロンボーン専攻卒業。トロンボーンを今田孝一・呉信一各氏に師事。
2013年よりボディチャンス大阪でアレクサンダーテクニーク教師養成課程に在籍。
2015年8月ボディシンキングコーチ取得。
同月7-10日に滋賀県で開催された、宝塚歌劇オーケストラトロンボーン奏者/山下浩生先生の主催するトロンボーン合宿にて、ボディシンキングコーチとしてデビューレッスンを行う。
 
アイデア音楽教室トロンボーン講師/ボディシンキングコーチ