2014年9月5日金曜日

僕はマウスピースが唇の左側にあたる。

「どうやったら左右対称になるか。ではなく、どんな変化を望んでいるのか。」
昨日のボディチャンスプロコースでの、きみこ先生の言葉。


左右の脚で柔軟性が違うのはなぜか?というテーマのレッスンの中で出てきたものです。
そもそも人の動きは、左右非対称であることが多いようです。


金管楽器の演奏技術の習得についても同じことが言えるのではないかな?と思いました。

「マウスピースが中心からずれている➡︎中心にくるようにしなければ」
「姿勢が悪い、ベルが下がっている➡︎正しいフォーム・角度にしなければ」
さらには、「それができないと、上手くはなれない」
という考え方。これって少なくないと思うのです。

僕自身、そのような考え方をもとに練習に取り組んだ経験があります。

人から、そういうことを言われたこともありますし、自分の演奏を鏡などで見たときに「マウスピースがかなり左に寄ってる…これって良くないんじゃないか?」と思ったり。

それからマウスピースが真ん中にくるように意識するようになりましたが…吹きにくい…。

というかほとんど音が鳴らない。


また、姿勢が悪いからと、背筋を伸ばして練習していると…背中や腰が痛い。

でもそうしないと上手くなれない、音が鳴らなくても背中が痛くても耐えて練習して、マウスピースが真ん中にくるようになり、姿勢がよくなれば上手くなれるんだ!
と信じて取り組み続けましたが、一向に良くなる兆しもなく根をあげてしまいました。


これは僕の個人的な経験ではありますが、マウスピースが中心でないと上手くなれない。この姿勢、この角度でなければいけない。というのは、万人に対して言えることではないんじゃないかと思うんです。


そこで、思い出したいのは、何のためにそれに取り組んでいたのかということ。
音が鳴らなくなったり、身体が痛くなってまで正しい(と言われた)位置・姿勢・角度に執着するのは、目的からずれているように思えます。

そもそもは、より上手くなるため、演奏しやすくなるため、にレッスンを受けたり、情報収集したり、自分で考えたりしますよね。

だから「どうやったら左右対称になるか。ではなく、どんな変化を望んでいるか。」なんだと思います。


「うまくなるために、マウスピースは真ん中のほうがいいかもしれない」というアイデアがあるのなら、「うまくなるために、マウスピースの位置は左右対称でなくていい。吹きやすいところにあててやればいい。」というアイデアもアリだと思います。





箸でものをつかむことが利き手の方がやりやすいように、マウスピースの位置もどちらかにずれている方が、その人にとって吹きやすいということは、考えられます。

去年の夏、バジルクリッツァーさんのレッスンを受けたときもマウスピースの位置がずれていることに関してたくさんヒントを頂きました。
その時の記事は下記リンクからご覧になれます。



森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ
トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
プロフィール
アレクサンダーテクニークとの出会い