2016年2月29日月曜日

自分にとってバンドって

昨日は1月に開催したノースタルジックコンサート(という高校吹奏楽部OBの演奏会)のビデオ上映会でした。

気づいてなかったけど舞台上では各々、数多くのドラマがあったようで、この辺笑いながら楽しめるのは皆で見る醍醐味ですね!


このノースタルジックコンサート、そして主催している「たかきたファミリアウィンドバンド」、ぼくにとってもうかけがえのない場所です。

年々そう思います。
高校卒業したての1年目、卒業してからも誰でも音楽を楽しめる場所を作りたい。そんな思いから立ち上げました。
それが、今自分にとって本当にそういう場所になってる。立ち上げた頃の自分に感謝です(笑)

そして運営してくれる、参加してくれる、応援してくれる皆様にも。

このバンドを続けなければいけないという義務はないけれど、もう高校を卒業した人たち、これから卒業していく人たちがいつでも楽器を吹ける場所、あったらいいなあと思います。




初めのころは正直、大変でした。
楽しくないこともたくさんあったし、めちゃくちゃ迷惑もかけたし(今もですが…)、忙しくて余裕がなかったです。

指揮するということに、プレッシャーや不安をもっていました。(今もあります)

・演奏会を成功させなくちゃ
・前に立って正しい指導をしなきゃ
・参加してよかったと思ってもらえなきゃ
・お客さんに喜んでもらわなきゃ
・恥をかきたくない


とか考えながら、合奏して、出演者と連絡とって、事務作業して、と駆け回ってました。


楽しくないなんて言っちゃいけない。

しんどいなんて言っちゃいけない。

わからないなんて言っちゃいけない。


先輩たちがよく「気を使いすぎ、やりたいように言いたいようにやってね」と言ってくれていました。

でもこんなネガティブな気持ち、後ろめたさで言えません。




大学1年〜3年までの間続けて、4年のときは進路のこともあり1年休止しました。


そしたら大学を卒業してから、またやりたくなった。
ここから、変わりました。


演奏会を成功させなきゃと思う以前に、音楽をやりたいという思い

正しい指導をしなきゃという以前に、音楽に興味があってもっと知りたい学びたいという思い

みんなに楽しんでもらいたいという以前に、自分も楽しみたいという思い



どんな演奏会にしようか?
曲を選曲するところからもうワクワクしてきます。
この曲を聴いてもらいたいとか、
この曲はあの人がソロして、ここはあのセクションがカッコ良く決めてくれてとか考えて。

みんなはどんなことやりたいんだろう?
楽器を練習して舞台に立つという出演者それぞれの意思に対する尊敬や興味


どうやって作っていこうか?
1人でやろうとしなくていいや、わからないときはわからないと言って。悩んでいるときは打ち明けて。メンバーの意見やフォローを参考にしてみよう。
どんなアイデアでも試してみよう。


僕は別に音楽的なセンスが優れてるわけでもないし、リーダーシップやカリスマ性もない凡人だけど、このバンドに関わる時間が、前よりもクリエイティブで活きた時間になりました。


一緒に音楽をする仲間がいるっていいなあ。指揮者とか指導者とか先輩とか後輩とか先生とか生徒とか関係なく。
人生を豊かにするアクティビティですね〜!

って思いました!







森岡尚之 / もりおかなおゆき
 
2012年大阪音楽大学トロンボーン専攻卒業。トロンボーンを今田孝一・呉信一各氏に師事。
2013年よりボディチャンス大阪でアレクサンダーテクニーク教師養成課程に在籍。
2015年8月ボディシンキングコーチ取得。
同月7-10日に滋賀県で開催された、宝塚歌劇オーケストラトロンボーン奏者/山下浩生先生の主催するトロンボーン合宿にて、ボディシンキングコーチとしてデビューレッスンを行う。
 
アイデア音楽教室トロンボーン講師/ボディシンキングコーチ
 















2016年2月8日月曜日

個人練習、1人じゃない

僕は1人で練習することが苦手です。

充実した実りのある時間を過ごせる時もあるけれど、多くの場合たいくつでつまらなく、つらく、効果の実感できない時間を過ごしてしまいます。
さらには、だんだん息が出なくなり音程・タンギングやスライディングそれぞれのテクニックがバラバラになったり、自信をなくしたりといった悪循環を起こすこともあります。


今までは、この練習の充実した実りあるものになる時と、悪循環を起こす時の違いをあまり意識することはありませんでした。
練習をしなければいけないと思っていたのでその日の質や結果がどうであろうと毎日練習することを達成できていれば自分の中で良しとする部分がありました。


でもこの数年、毎日練習できる環境でもなくなり、また練習したくないと自覚した時には『練習をしない』という選択肢があることを許容できたおかげで、練習の質の違い、好不調の波について考えるようになりました。



悪循環を起こしていたのは、他人からどう思われるか?それに基づいて自分の演奏に評価を下していた時。

他人からどう思われるかに囚われながら練習をしていると、
・楽譜を正確に演奏できていること
・音楽的にもトロンボーンの技術的にも基礎がきちんとできている
という結果を過剰にコントロールしようとしています。

またそれができていないところばかりが目につき、相手が求めている演奏が何であるかも知ることができない(その相手が誰であるかもはっきり自覚していない)ため、全体的に『これでいいのかな?』『これじゃダメだよね?』と迷いながらになってしまい自分で練習を仕切ることができなくなっていました。

だからといって他人の目を気にしないようにすることは簡単じゃないし、
僕の場合、他人のことを意識せず自分1人に集中しようとしても悪循環を抜け出せません。


このことから気がつけたのは、1人で練習している時でも自分と他人とのつながりや関係性があること。

聴衆や、共演者、指揮者、師匠、家族、友達など
つながりを勝手に切ることはできないと思うんです。


普段この人たちとどんな風に関わっているでしょうか?
音楽とは関係ないところでは、笑わせたいとか喜んでもらいたいとか、自分の考えを伝えたいとか思っています。
僕にとっては音楽も、人と主体的に関わろうとする点で大きな意味を持っています。


だから、練習でももちろん本番でも人とのつながり、聴衆の存在があってこそ、その関係性の中で自分がやりたいこと・できるようになりたいことがあるんです。


音楽そのものの話というより、人間関係についての話でしたが、僕が感じていた練習の好不調の波はそこに要因があったように思います。

聴衆や他の人とのつながりがあることに気づけたこと。そこに主体的に関わりたいと思っていることに気づけたこと。だからこそ演奏をしてるんだと思うことで、練習がとても建設的な時間になりました。

自分の今の望みに沿っているかどうか、が心と身体のパフォーマンスにとても大きく影響しているんですね。





毎月二回、ボディチャンス大阪で管楽器奏者向けの入門講座を行っています。
2月のテーマは『呼吸』です。



森岡尚之 / もりおかなおゆき
 
2012年大阪音楽大学トロンボーン専攻卒業。トロンボーンを今田孝一・呉信一各氏に師事。
2013年よりボディチャンス大阪でアレクサンダーテクニーク教師養成課程に在籍。
2015年8月ボディシンキングコーチ取得。
同月7-10日に滋賀県で開催された、宝塚歌劇オーケストラトロンボーン奏者/山下浩生先生の主催するトロンボーン合宿にて、ボディシンキングコーチとしてデビューレッスンを行う。
 
アイデア音楽教室トロンボーン講師/ボディシンキングコーチ
 











2016年2月2日火曜日

いま、うまくいったよね!

先日トロンボーン奏者の方とのレッスンで、演奏時に起こるある悩みについて相談を受けました。

実際にお話を聞きながら、ロングトーンを演奏している様子を見せていただきましたが、何が原因でそれが起きているのかはわかりませんでした。

それでも観察したことからいくつか推測し、アレクサンダーテクニークを提案する自分としては頭の過度な固定が起こらない、脊椎に対するプレッシャーが結果的に減るようなアイデアを伝えながらレッスンを進めます。


悩んでいた症状が少しずつ軽減していきました。

頭の過度な固定や、脊椎へのプレッシャーが減ることで改善傾向にあることはわかりました。
ですが、もともと何がその症状を引き起こしていたのか、原因は僕にはわかりませんでした。

そこでそのトロンボーン奏者の方へ
『原因はわかってません。けれど改善する傾向や方向は見えてきましたね。』と伝えました。

すると驚かれたように、
「原因を追求・特定することに意識を向けていました。よりよくなっていく方向へ目を向けるという発想はなかったです。」と。


原因がわからなければスッキリとしない気持ちはわかりますが、原因がわからなければ改善、前進しないかといえば必ずしもそうとは限らないと思います。

僕にはこの、なんでかよくわからないけれど良くなった。という体験は意味のあるものではないかと感じられました。

このなんでかよくわからない、にはいつもと違う感覚が含まれていたかもしれないし、正しい感じがしなかったかもしれません。


それはいつもと違う新しい考え・プラン・やり方を試したから得られた結果です。

そしてそれが自分にとってより良い結果だったとしたら、そこに目をつける価値は大いにあると思うんです。


ところが原因を特定することに意識が向くことで、こうした結果やそこにいたった経緯は見過ごされてしまいがちなのかもしれません。

原因をつかもうとすること自体は、演奏するための目的にもプランにもならないと思います。

ー起こっている問題の原因をつかむために、楽器を手に取り演奏するー

文章にするとより違和感を感じますね。たとえ練習であっても。



そこでより演奏する目的を明確にするため、ロングトーンから曲のフレーズに変えて頂き、また頭の過度な固定や脊椎へのプレッシャーが起こらないようなプランを試してもらいました。

今度は先ほどのロングトーンの時よりもはっきりと改善が見られました。


なぜうまくいかないんだろう。

から

いま、うまくいったよね。なんで??へ。

思えば、僕がボディチャンスでアレクサンダーテクニークを学び始めた出発点がそうでした!





森岡尚之 / もりおかなおゆき
 
2012年大阪音楽大学トロンボーン専攻卒業。トロンボーンを今田孝一・呉信一各氏に師事。
2013年よりボディチャンス大阪でアレクサンダーテクニーク教師養成課程に在籍。
2015年8月ボディシンキングコーチ取得。
同月7-10日に滋賀県で開催された、宝塚歌劇オーケストラトロンボーン奏者/山下浩生先生の主催するトロンボーン合宿にて、ボディシンキングコーチとしてデビューレッスンを行う。
 
アイデア音楽教室トロンボーン講師/ボディシンキングコーチ