2017年7月5日水曜日

スタート地点






蒸し暑い平日の昼間







部屋にハエが入ってきた。

飛んで火に入る夏の虫ー

小さい、すばやい、飛ぶ




家の外を飛び回ってればいいものを





新聞紙を手にとり、くるくると丸めた。

丸めた後、ぐっぐっと押して面を作った。

視界にハエの姿を捉えた。

新聞紙を振り上げ

飛びまわるハエの姿を目で追う。




壁に止まった。

ハエをよく見て

振りかぶった位置から

ハエの姿を打つ。




ハエはまだ飛んでいる。

新聞紙はハエのいた所よりも

4センチほど離れた低いところに当たった。







次はドアに止まった。

今回もハエをよく見た。

肘を曲げて新聞紙を構え

ハエ目掛けて肘を勢いよく伸ばした。







ハエはまだ飛んでいる。

また新聞紙は

4センチ離れた低いところに当たった。







また視界にハエの姿を捉えた。

今度はカーテンに止まった。

ハエをよく見て

肘を曲げて新聞紙を構える。

今回は打つ前に

曲げた肘と新聞紙を見た。

自分が思っていた位置よりも

4センチほど低い位置で構えていた。










トロンボーンも音楽も関係なくてすいません。

どうして、4センチのズレを知らなかったんでしょう。

それにどうして疑うこともなく考えたとおりに実行している思っていたのでしょう。

どうやって判断しているのでしょう。










もうハエは飛んでいません。