2014年8月28日木曜日

息を積極的に使うことと、目的

8月23〜25日、滋賀県マキノで開催された山下浩生先生のトロンボーン合宿に参加してきました。


僕にとっては大学を卒業してから、トロンボーンの演奏を見て頂ける貴重な機会です!それにたくさんのトロンボーン吹きの方々の演奏が聴けたり、一緒に吹かせて頂いたりでとても刺激的な合宿でした(^-^)

昨年に引き続き、アレクサンダーテクニーク教師のバジルクリッツァーさん、さらに今年はアレクサンダーテクニーク教師の山口裕介さん、ステージメンタルカウンセラーの大村まりさんの講座を受講することができ、とても充実した3日間でした!


とくに今回の合宿で気づいたことが、人前で演奏するときや、アンサンブルの中で吹くとき、レッスンで吹くときに、どうも調子が悪くなってしまうことについて。


とんでもなく緊張しているわけではないのに、音が出しづらくなってしまったりするのです。


バジルさんのレッスンを、見学してる方達の前で受講したときも、同じことが起こりました。

そのときは「緊張で硬くなってるのかなあ。力みすぎてるのかなあ。」なんて考えてましたが、



バジルさんからは、

「楽器を持ちあげる動きも、スライドを右手でつまむことも、スライドを動かすことも、マウスピースを口にくっつけることも、アンブシュアも、息を吐くことも、タンギングも全部積極的にやってみて」と。

そこで、そのそれぞれの動作、つまりトロンボーンを演奏することを積極的に力を使ってやってみると、だんだんと音が安定してくるようになりました。


自分の中では、音が出づらくなるのは、力の入り過ぎが原因だと思っていたので、余計な力を抜くことばかり考えていました。
けれどバジルさんの提案のように、より積極的に力を使う(必要な動作を明確に行う)ことで、調子が良くなっていったのでした。



その後のアンサンブルの練習で、さっそく試してみようとしましたが、なかなかうまくいきません。

どうしてだろう…


頭の中では一つ一つの動作を積極的にやろうと考えていても、実際に吹くときに消極的になってしまうのです。特に息を吐くとき、タンギング、スライドを動かすときに顕著でした。


まだその新しいやり方に慣れていないからそうなってしまうんだろうか。
でも1人で練習しているときはうまくいきます。

では、なぜ人前やアンサンブルの中だと、演奏のための動作が消極的になってしまうのか。

それは、そのとき自分の考えにある目的・望みと、用意した新しいプラン(やり方)が合ってなかったのだと思います。


アンサンブルの中で吹くとき、「間違えないように」「外さないように」「迷惑をかけないように」といった考えが強くありました。

演奏中に「間違える」「音を外す」「足を引っ張っている」という自分にとって嫌な事態を避けようと思えば、最終的には「吹かない。アンサンブルのメンバーから抜ける。」という手段があることに気づきました。

当たり前ですが吹かなければ、間違えることも外すこともありません。


おそらく、これらの考えが強いきっかけになり、レッスンで得た新しいプラン(演奏するために必要な動作を積極的に行うこと)とは反対に、演奏を消極的なものにさせていたのだと思います。


では、楽器を吹きたくないのかといえば、そうではありません。
楽器が吹きたくて合宿に参加したわけで、アンサンブルもしたくて参加したんです。


演奏したいという思いがあるんだから、新しいプランはそっちにつなげてやればいいじゃないかと考えました。


そこで、改めてアンサンブルの楽譜を眺めて、周りで鳴っている音を聴いて、演奏しているメンバーを見て、そうしていると、ふとその曲がすごく好きな曲であることと、トロンボーンのアンサンブルが好きなことを思い出しワクワクし始めました。

自分もこのメンバーの中で演奏するために、「楽器を持ち上げることも、アンブシュアも、息を吐くことも、タンギングも、スライドの操作も全部積極的にやろう」と思って演奏すると、さっきよりも自分の思ってるタイミングできれいに発音できる箇所が増えました。
とくに空気がより積極的に動くようになったのがわかりました。



ボディチャンスのアレクサンダーテクニークレッスンでは、自分が何をやりたいのか、という部分がとても大切なのですが、それを改めて実感しました。






森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ
トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
プロフィール
アレクサンダーテクニークとの出会い













































2014年8月12日火曜日

うまくなるために、選択する


ボディチャンスでアレクサンダーテクニークを学びはじめて1年が経ちました。


1年前のぼくは、長らく苦しんでいたあがり症やトロンボーン演奏の不調を乗り越えるためにアレクサンダーテクニークを学びはじめました。


長い間解決できなかった不調もだんだんと良い方向にむかい、あがり症についても、以前よりステージ上で自分の力を出すことが少しできるようになってきました。


しかし、だんだん良い方向へ向かっている実感があるにも関わらず、演奏がボロボロになってしまう本番、リハーサル、状況もあります。


どうもアレクサンダーテクニークを学ぶ中で、演奏にいい影響をもたらしてくれたアイデア・考え方・取り組み方と、自分が演奏という行為をするために必要だと信じている考え方・取り組み方に大きな違いがあるように感じます。


それは、
・人前で演奏するなら、努力しなきゃいけない。でないと聴いてくれる人達に失礼だ。できないところがあるなら、聴いてもらう価値がない。という考え。


だから、できるまで練習しなきゃならない。できないなら自分のやっていることに価値はない。

そう信じて、今まで練習に励んできた。



練習をいくら繰り返しても、思うように上達せず、それは努力が足りないからだと、さらに自分のできないところを指摘して、練習を繰り返す…
そうしていれば、いつか努力が報われてできるようになるんだと信じていました。


けれど、その結果は、ちっともうまくはならず、それどころかどんどん調子を崩して、体を痛めて、演奏するということが人前で自分のできないところを晒す苦痛の時間となってしまい、自信を失って演奏する意欲も削がれてしまいました…。

結局、努力が足りてない、自分には根性がないんだ、だから上手くなれないんだ。と思っていました。


でも待てよ?
今までの取り組み方や考え方は、そもそも楽器の上達を促してくれているか?

一向に上達しないのは、本当に努力が足りないからなのか?

じゃあもう諦めるしかない?


僕は、これからも楽器を続けたいし、上手くもなりたい。そして
演奏したい曲もたくさんある。


自分の望む演奏に近づくためには、何をすればいいんだろう。


これまでの自分にとっての努力のやり方、自分に対して批判的な厳しさは、うまくなることに繋がりませんでした。


アレクサンダーテクニークを学ぶ中で、上達を促してくれたのは、

・演奏することが、自分にとってどんな意味を持つのか明確になること

・自分のやっていること(できないところも含めて)に興味をもつこと

・そして、自分に協力的になること

これは、今までぼくが演奏・上達に不可欠だと信じていたこととは、大きく違います。
でも、確かに自分の望む方向へと進んでいけるのはこっち。
だったら、今まで信じてきたけれど役には立っていなかったルールを外して、どうやって取り組んで行くか新たに選択していけばいいんじゃないか!


そう思ったら、今まで自分が信じてきたことより、現実的で建設的な素晴らしい考え方を実践している人達・それを教えている人達がいることに気がついた。

ぼくにとっては、アレクサンダーテクニークがそのひとつ。


一変に変えられるわけじゃないけれど
これまでの演奏とその上達への取り組み方が、自分の中で少しずつ、大きく変わろうとしています。







ブログの更新がかなり久々になってしまいました。
これからまた、健やかにトロンボーン演奏を上達していくために、学びを重ね、ブログの方も更新していきますので、読んで頂けたら嬉しいです。



森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ
トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
プロフィール
アレクサンダーテクニークとの出会い

レッスンのご依頼について




































2014年8月9日土曜日

ルシア先生とのレッスン



アレクサンダーテクニークを学び始めて一年と少しが経ちました。

そのなかでの学びは、今の自分の音楽活動にとても役立っています。
中でも、とても嬉しいのが、楽器や音楽に対する興味・好奇心・意欲が自然に沸いてくるようになったことです。

というのも、僕は2年前、音楽大学を卒業するころ、音がまともに出なくなるまでの激しい不調に悩みました。リハーサルや本番で恥をかきたくない、失敗したくないという思いが強くなり、今までできていたことまでできなくなってしまうという悪循環を引き起こしました。
ちょうど大学を卒業する直前、演奏家としての道を歩みたいと思っていた時期だったので、大変ショックでした。

卒業して、「今までと同じ頑張り方では、これ以上の上達は望めないしとても楽器を続けられない」と感じたぼくは、しばらく楽器の練習を休むことを決意しました。

しかし、その決意とは反対に、楽器を練習しない自分を心の中で責め続けていました。
休むことを実行していたけれど、認められていなかったんです。


やがて、「練習しなきゃダメだぞ。」という心の声に突き動かされ、練習を再開するようになりました。
休んでいたことで、凝り固まっていた身体の緊張はいくらか緩和されていたので、最初の方は以前よりラクに音がなりますが、やがてまた身体が緊張し音が鳴らなくなる状態まで戻ってしまいました。


それから1年後、アレクサンダーテクニークと出会い、それ以降BODYCHANCE でレッスンを受け続けています。

自分の持つ様々な思考が、身体の緊張を引き起こしたり、また自由にしてくれることを体験しながら学び、実際に長く苦しんでいた不調からだんだんといい方向へ向かい始めました。

確かにいい方向へと向かってはいたのですが、不調になる以前の、気持ちよく吹けていたころのような、「演奏する気持ちよさ、心地よさ、楽しさ」を感じることがありませんでした…




今年の5月、来日していたアレクサンダーテクニーク教師ルシア・ウォーカー先生のクラスの中で聞いた言葉が印象に残りました。

「自然に湧き上がった衝動から生まれた動きは美しい。それは人が本当にやりたいことをやることが美しいということなのかもしれない。」


その言葉を聞いた僕は、「自分は本当に吹きたくて楽器を続けているんだろうか?」と疑問に思いました。
それは僕が「練習しなくちゃいけない」という思考の中で、楽器と向き合い続けてきたからです。

そこで、ルシア先生に、
「自分が楽器を吹きたいと思う衝動が沸いてくるのを待ってみたい。そのためにルシア先生のサポートを受けたい」ということを相談しました。

幸いに、ルシア先生のクラスは3日間続けてあるので、
「わかったわ。それは時間をかけて探究しましょう。3日間のいつでも、何か衝動が沸いてきたら声をかけて」と快く引き受けてくださいました。


いつもだったらクラスの中で楽器演奏をレッスンしてもらいますが、この日は吹きたいという衝動を待ちながら、他の人のレッスンを聴講していました。


クラスが終わってから、いいようのない不安に駆られました。
「この3日間、楽器を吹きたいとみじんも思わなかったらどうしよう。」
今まで練習しなきゃいけないという思考をモチベーションとしていたところが大きかったので、それがなくなった自分は楽器を吹きたいのかどうか…不安と悲しさがどっと押し寄せてきました。

三日目、ルシア先生のクラスの最後の日。
僕は、楽器を吹きたいという衝動が起こらなかったことを話しました。

「ちょっとここで、楽器を出してみない?吹くか吹かないかは決めなくていいから。」とルシア先生。

ルシア先生のサポートを受けながら、まるで初めてトロンボーンという楽器に出会うように、楽器を眺め、手に取り、重さを感じて、また細部から全体を眺めます。

ケースを開けて楽器を組み立てて、音を鳴らすまで、こんなに長い時間かけたことがないくらい、ゆっくりとトロンボーンを感じ、眺めました。


そして楽器を吹きたいと思っていないことを認めるのを恐れている自分に気がつき、涙が出てきました。


「手放すことができたら、その吹きたいという衝動はやがて帰ってくる」
ルシア先生のその言葉に励まされ、2年前にやろうとしてできなかった、「楽器を吹かなくても、練習しなくてもいいんだ。」ということを自分に許すことができました。


それからの一ヶ月間、生活のなかで様々な変化が起こりました!

クラシックやトロンボーン、吹奏楽の演奏が聴きたくなり、演奏会に足を運んだり、CDを購入したり。
また吹奏楽を演奏したくなって、地元の吹奏楽団に入団することになったりと、心から音楽をやりたいという衝動が起こり始めたのです。

そして楽器を演奏したいという衝動にいろんな種類があることに気がついたのです。

今日はこの曲を演奏したい。このコンチェルトにチャレンジしてみたい。こういうところをもっとうまくなりたいなどなど。

そうするとその衝動によって、演奏する曲や練習の内容は様々です。


今まで僕は、本番以外の日=練習=うまくならなきゃいけない時間と考えていました。
しかし、それではやがて疲れてしまいモチベーションは長続きしません。
それに楽器を続けているのは、演奏することが好きだからです。
本番でなくても、演奏することを楽しむ時間があっていいですよね!

そして、今日は楽器を吹かないでいいや!という選択肢があることも!

それに気がついたおかけで、音楽が自分のなかでどれだけ大切な存在かを、思い出すことができました。


アレクサンダーテクニークを学び始めるとき、ぼくの第一の目標は、心身ともに健やかにトロンボーンを演奏し続けることでした。
その目標がようやく実感となって現れ始めているように感じます。

そしてこれからも、続けていこうと思います。



◆プロフィール◆
 

森岡尚之 / もりおかなおゆき
 
大阪府高槻市出身。
大阪音楽大学トロンボーン専攻卒業。トロンボーンを今田孝一・呉信一各氏に師事。
2013年よりbodychance アレクサンダーテクニーク教師養成課程で学び、2015年8月ボディシンキングコーチ資格を取得。
宝塚歌劇オーケストラトロンボーン奏者/山下浩生氏の主催するトロンボーン合宿にてレッスンを行うほか、大阪で「トロンボーン奏者のための身体の使い方」1日セミナーを開催。また学校吹奏楽部への出張レッスン、音大生など音楽家との個人レッスン、アイディア音楽センターでレッスンを行っている。
bodychance認定ボディシンキングコーチ


グループレッスン予約受付中です。











2014年6月8日日曜日

脚と呼吸は関係してる!




6月から、地元の吹奏楽団に入団しました。
今日その楽団の合奏練習に参加したときの話なのですが、


今日はウォームアップも気持ち良くできたし、久しぶりの吹奏楽で、ワクワクしながら合奏に出ました。

ところが、いざチューニングが始まると…

目の前にいるユーフォの人が一人で吹かされたり、トランペットも一人ずつ吹かされたり(よくある光景なのですが)…
そんな光景を見ていると、だんだんドキドキ緊張してきて、
曲が始まっても、途中で止まっては、「このパートだけで」「このメロディだけで」という指示が出るたびに、自分じゃないのにドキッとして…

ほんと、よくある光景なんですが、ぼくはこれがとっても苦手なんです(笑)

今回のブログは、「そんな練習しないでおくれよ」という話ではなく(笑)、そんな状況に出くわした時に、自分の習慣的な反応を変えることはできないか。という話です!



で、そんな光景を目の当たりにしながら自分が吹く場面になると、
「間違えちゃいけない」
「音外しちゃいけない」
「指揮者に捕まりたくない」
って思いが強烈に自分を支配して、呼吸が浅くなり、息が全然入らなくなってしまいました。


こうした考えを変える必要があることはわかっていても、その場で変えることは簡単ではありません。
「考え」に直接アプローチしても、あまりうまくいかない時があります。

そんなとき、ふと、今身体はどんなことをしてるだろう??
と、観察してみると、

「あれ?ウォームアップしてたとき、こんなに脚を閉じてたっけ?」


それに気がつくと、脚の付け根の関節(股関節)がじんわりと緩んでいきました。

脚を閉じていたのが問題なのではなく、脚を胴体の方にギュッと引き込むように閉じていたことで、身体全体の自由を奪っていたのでした。


さてギュッと胴体の方に引っ込んでいた脚が、股関節から緩みだすと、胴体が自由になり、呼吸もしやすくなって、さっきまでの「あー、今日はうまくいかない。絶対外れる。そんで何回も吹かされる。」といったネガティブな思考モードが、「まだドキドキしているけれど、胴体が自由になって呼吸もしやすくなって、案外吹けるかも!」と前向きな考えにコロっと変わりました!


演奏してみると、やはり息が吐きやすく、吐いたあとは身体に自然に入ってくるので、気持ち良く演奏することができました。
脚って呼吸に関係してるんだなあと、改めて実感しました。


さらに、観察していると、
「指揮者からトロンボーンや他の楽器に指示があったとき」
「外しちゃいけない、ずれちゃいけないと考えてるとき」
「となりの奏者が、こちらを向いたとき」
のような刺激があると、「ちゃんとやらなきゃ」と思うと同時に、脚を胴体の方に引っ込む動きが起こりました。


そんなときに、「脚はギュッと引き込まなくてもいいんだよな〜。演奏するために脚も動けていいんだ。」
ということを思い出すと、脚はゆるんで、「ちゃんとやらなきゃ」という気持ちの緊張もやわらぎました。



演奏には直接関係なさそうな、脚の習慣的な動きが、実際には演奏でとても大事な呼吸に大きな影響を与えていたのでした。


気づきや学びもあったし、合奏も楽しめたし、充実した練習でした(^^)



ちなみに、脚の付け根の股関節はコチラ!
(bodychanceの骨格標本です。)



森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ
トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
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2014年6月1日日曜日

パートで演奏がなかなか揃わないのは、どうして?

昨日、母校の吹奏楽部の練習に顔を出して、トロンボーンパートの練習に参加してたときのこと。



トロンボーンの生徒が2人で練習していたのですが、ある曲のユニゾンのフレーズがなかなか揃わないようでした。



どうやったら、揃うようになるだろう?と聞いてみると、細かいところまできちっと合うまで練習するというような答えが返って来ました。



とっても真剣に取り組んでいる姿勢が伝わってきます。
そのとき、ふと揃えるためには他のやり方(考え方)があるかもしれないと思い、こんなゲームをしてみました。



2人一組で向かい合います。
仮にAさん、Bさんと呼ぶことにします。

・Aさんは自分の動きたいように体を動かす
・Bさんは、Aさんの動きを(ほぼ同時に)そっくり真似する
・これを2〜3分続ける、ABの役割を交代してもう一度する
(Aさんはだんだんと複雑な動きを取り入れてみてください。)

・Aさんは(①と同様に)自分の動きたいように動く
・Bさんは、今度はAさんを見ながら、全然違う動きをしてよいし、Aさんと同じ動きに合わせてもいい、と思いながら動く
・2〜3分続けて、役割を交代してもう一度する






①と②では、どんな違いが起こるでしょうか?
見ていた僕と、ゲームを体験した生徒が思ったことは、

①は動きがぎこちなくなるのに対し、②はAさんもBさんも動きが自然になること。
②は2人の動きが違ったりするけれど、一体感がある。動きのテンポ感は自然と合っている。対話しているように見える。
②は、動きを真似しなくていいのだけど、相手の動きに自然に合わせたくなった。

といったものでした。もちろんゲームの結果、気づくことや感じることは人それぞれかと思います。

このゲームをしてから、もう一度、例のフレーズを演奏してもらうと、今度はぴったりと揃いました…!

なぜ、これだけで今まで揃えるのに苦労していた部分が揃ったのだろう…?


考えられるのは、
②は、お互いただ好き勝手に動いているわけではなく、相手を見ながらすることで、相手との関わりが生まれています。
相手の動き、自分の動き両方に気づいていられることができます。

②は、動きを選択する自由があります。そのことで、身体はより柔軟に動くことができると思います。

他にもあるかもしれませんが、このようなことが演奏にも関係してるのではないかと思います。



揃えることを頑張りすぎて、身体が緊張してうまくいかなかったり、そうすることで、揃ってはいるけど音が硬くなってしまう、身体が疲れる場合は、少し視点を変えてみるといいのかもしれないと思いました。



森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ
トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
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2014年5月10日土曜日

今、自分はなぜトロンボーンを手に持ったのか?

2014年5月2日〜5月6日、静岡の御殿場で開催されたbodychance の「アレクサンダーテクニークミニフェスティバル」(合宿)に参加していました。

この合宿中に探求していたことは、「今、自分はなぜトロンボーンを手に持ったのか」ということでした。


合宿に行ったら、レッスンで演奏を見てもらうだろう、空き時間には練習するだろう、と当然のようにトロンボーンを背負って御殿場までやってきました。


2日目の朝、周りから楽器の音が聞こえてきて、「ああ、僕も吹かなきゃ。レッスン受けるし音だしをしとかなきゃ。」といそいそとトロンボーンを組み立てて、吹いてみると、
気分も体も重くなって、思うように音が出なくなってしまいました。
なんだか今日は調子が悪いなあ。


その日、レッスンを受けましたが、それもいまひとつ目的がはっきりしないままになってしまいました。(受講されてた方、貴重な時間をごめんなさい!)



自分は、何しに合宿に来たんだろう。もやもやとした1日を過ごし、その夜バジルさんに相談。すると、

「今日、そのとき、本当に楽器を吹きたかったかどうかが関係してるかもね。」
と応えてくださいました。


このとき自分の中で、必死に抵抗するなにかを感じました。
「吹きたくないわけないじゃないか!僕のやりたいことは、演奏することなんだ!」と、まるで自分のやりたいことを決めつけてしまっているように。
それが本当にやりたいことなのか?と問われると、なぜかつい耳をふさいでしまいたくなるのです。





楽器を吹くことは、僕の日常の中ではいたって普通の行為で、いちいち「今、楽器吹きたいの?」なんて考えていないわけですが、バジルさんとの会話から、「吹かない」という選択肢を用意してないというか、許していない自分がいることに気づきました。



翌日、本当に楽器が吹きたくなる衝動がわいてくるか、待ってみました。
時間が経つにつれ、「今日まだ吹いてないけどいいの?」「ちょっとくらい吹くべきだぞ!」って思ったり、不安になったりしたけど、どんなにざわざわしても、「吹きたい」と思うまで待ってみて、結局その日は1度もトロンボーンに触れませんでした。



「吹かない」という選択をできたんです。
別にどうってことないことかもしれません。でも僕にとっては新鮮で、
これほど「吹くか、吹かないか」で葛藤し心がざわついたことに驚きました。



そのまた翌日、クラスを聴講していて、他の受講者さんのレッスンでアンブシュアについてのアイデアをもらい、ぜひ試してみたくなり、トロンボーンを取り出しました。



トロンボーンを持ったとたん、「これを意識しなきゃ、あれも気をつけなくちゃ、いい音で吹かなきゃ、〜〜〜!」と、ほんとにたくさんの考えが起こりました。
そこでトロンボーンを手に持ったまま、少し時間をとってみました。



ちょっと待って、僕は何がしたくてトロンボーンを取り出したんだろう?
「さっきのレッスンで興味をもったアンブシュアのアイデアを試してみたかったんだ!」


純粋な興味から行った実験。
こうするとこんな音がなるんだな。
このするとこんな風に音が外れるんだな。たった5分ほどの時間でしたが、学びや気づきが詰まっていました。
たった5分だけど、吹き終わるととても清々しい気分になりました。
やりたいと思ったことを、自分で邪魔せずにできたんだなあ。



もしかすると、本番以外で楽器を吹く時間は、全て「練習」で「うまくならなくちゃいけない時間」だと思っていたかもしれません。
ただ演奏したい。だれかと演奏を楽しみたい。うまくなりたい。実験してみたい。曲をさらいたい。
など、ほんとはそのときそのときで様々な目的がありますよね。
どんな興味や衝動で、楽器を手にしたのかを大切にしたいと思いました。



もうひとつ、おもしろいと感じたできごとは、合宿中トロンボーンにはそんなに触れなかったけど、ウクレレを弾いたり、バラフォンという民族楽器を初めて演奏したりしていました。
音楽をしたいという衝動は、頻繁に起こっていたのでした(^^)



トロンボーンになると、つい「練習しなきゃ。もっとうまくならなくちゃ。」と習慣的な考えに入って、興味や目的のないままに吹きはじめていたり、せっかく湧いて来た興味を粗末にしていたんだなあと気づきました。



長いトロンボーンとの付き合いの中で、忘れていたことを思い出させてくれた合宿でした(^^)
どうやって自分の望みとつながるか。
この週末も、海外教師のルシアウォーカーさんのクラスを受講するので、ゆっくりと探求していきたいと思います。


















2014年5月2日金曜日

パート練習は間違い探し??

先日行った、吹奏楽部員のための「パート練習の進め方」講座からのまとめ、その②


・パート練習=間違い探し??

吹奏楽部の日頃の練習といえば、合奏や個人練習に加えて、パート練習(同じ楽器の人同士で一緒に練習する)やセクション練習(同属の楽器同士や、同じフレーズを担当する楽器同士で練習する)といった練習が一般的かと思います。

もちろん、そのやり方や目的はバンドによって様々だと思います。

パート練習やセクション練習の特長といえば、生徒だけで練習を進めていくこと。先輩になって、パート練習をどうやって進めていけばよいか不安になることもあるかもしれません。


パート練習の主な目的の一つは、同じ楽器同士のアンサンブルの向上かと思います。ハーモニーや音程、フレーズの歌い方、テンポ、リズム、サウンド、タイミングなどなど、意見を交わしたり、一緒に演奏することを重ねることで精度が増し、だんだん合ってくると思います。


さて、そのアンサンブルを合わせていく作業をパート練習の中で行うとき、
はじめからずれているところ・できてないところばかりを探そうとしていないでしょうか?


僕自身の経験ですが、はじめて先輩になったころ、パート練習をどう進めていけばアンサンブルをまとめられるのかわからず、とにかくずれているところを探して指摘するような傾向がありました。
1度演奏してみて、なんてコメントしてよいかわからないときは、さらに必死にずれているところを探してたように思います。さらには、指摘したところがうまくいっても、すぐに「でもここがダメだ、ここが合ってない」と別のダメ出しが始まるなんてことも。

もちろん、これはいい演奏にしたいからやっていたことで、僕にとってはこのやり方が、「真剣で、けじめのついた、ちゃんとした」パート練習だと思っていたのです。


けれどそうしてダメ出しばかりしていると、ダメ出ししている側も・される側も、緊張してのびのびと演奏できなくなってしまいます。
ましてや、はじめからできてないところを探されていると思うと、萎縮してしまうし、気持ちよく演奏できません。


アレクサンダーテクニークの教師養成過程の、「ティーチングメソッド」のクラスでこんなことを教わりました。

「ただ興味をもって、相手の話を聞き、相手の動きを観察する。」

これは、僕が楽器のレッスンをしたり、合奏指導をする際にもとても役に立っています。


これからパートで奏でる演奏を、どんな音がするかな?どんな風に聞こえるかな?と、ただ興味をもって聴いてみます。
すると、ダメなところを探していたときよりも、演奏をより全体的に聴くことができます。



思わずかっこいいなあ!と思ったり、きれいなハーモニーだなあと感じたり、ここは音程がずれているよね、とか、ここが合うともっと素敵だな、などなど。様々な情報を受け取ることができます!いい面に気づくこともできれば、ずれている部分に気づくこともできます。
いい面もよくない面も全て含めた、今の自分たちの演奏が聞こえてきます。

そうすると、そこからどんな演奏にしていきたいかな?という視点で考えやすくなります(^-^)
また、音程やリズムといった部分のみにとらわれないで、音楽全体が聞こえてくるので、曲に対するイメージも膨らみやすくなるのでは!


この、「どんな演奏にしたいか」っていうイメージはアンサンブルをまとめていく上で大切なものだと思います。そのイメージが、方向性を示してくれるからです。


また、できてないところをお互いに教えあうことは必要だと思いますが、いいところ・できてるところもなかなか自分では自覚してないことが多いので、お互いに「ここがよかったと思うよ」と言いあえると、より自分の演奏を客観的に考えることができますね(^-^)

特に、一年生や楽器を始めたばかりの人は、演奏がよかったのかどうか自分で判断することは難しいので、よかったところや、上達しているところを伝えることは、先輩としてとても大切な役割だと思います。