2013年10月8日火曜日

演奏家のための「体の地図作り」

アレクサンダーテクニーク教師養成学校『BODYCHANCE』で僕がどんなことをどんなふうに学んでいるのかを紹介してみたいと思います。

現在僕はBODYCHANCEの教師養成課程で三つのクラスを受講しています。
そのうちのひとつに、「Body Thinkingボディシンキング」というクラスがあります。

「体、考える」って・・・どんなクラスかというと、
アレクサンダー・テクニークの考え方にもとづきながら、体の構造と動きについて学びます。単なる解剖学の知識だけでなく、それを自分自身の体にあてはめることに重点を置いて学びます。
(BODYCHANCEのホームページより引用)


上記のように、クラスは筋肉の名前や骨格の名前を教科書を見ながら覚える、知識を得るという授業ではありません。
実際の体の構造や動きを知ることで、自分の持っている誤った認識に基づいた体の使い方にはっきりと気づき、その認識と使い方を変えていく、というものです。
これを「ボディマッピング」(体の地図作り)と呼びます。
では、このボディマッピングが「演奏とその上達」にどう関係しているのでしょうか。


認識の違いが、痛みや不要な緊張を生んだり、上達を阻んでいる

呼吸に関していくつか例をあげてみます。


「息はお腹に入る?」
-いいえ、お腹には入りません。肺に入ります。「息をお腹に入れて」という話を聞いたことがありますが(実際に僕もそう教わり実践しようとしていました)、お腹に息が入るという「認識」を持ち、お腹に息を入れようとすると、胸のあたりが圧迫されて、上手く吸えず苦しくなった経験があります。では、「息は肺に入るので、その周りの肋骨は広がります。その結果、肩も少しあがるでしょう。それでいいんだ」、と思ってみてください。息の吸い方や吸う量はどうなりますか?


 


 
胸部のX線写真です。肋骨の中の黒い部分が肺です。鎖骨より上まであるんですね!肺と心臓の下に横隔膜と呼ばれるドーム上の筋肉の膜があります。横隔膜により胴体の上部(肺と心臓)と下部(その他の内臓)を分かれています


「腹筋を使うのは、吸う時?吐くとき?」
-「お腹を使って」「腹筋を使って」というのは、吸う時なのか吐くときなのか、それとも両方なのかどうなんでしょう。腹筋が働くのは「吐く」ときです。吸うときには必要ありません。また息を吸う時は肺のスペースを広げるために横隔膜という筋肉の膜が下に下がります。すると横隔膜の下にある内臓も一緒に下に下がっていきます。この時に腹筋に力を入れていると、横隔膜と内臓が下に下がる(肺のスペースを広げるための)動きを邪魔してしまいます。なので吸う時は「腹筋の仕事はOFF。休めてあげよう。」と思ってみてください。息の吸い方や吸う量はどうなりますか?


「息の通り道は、どのあたり?」
-「息は首の後ろの方を通る」という指導を聞いたことがあります。実際には息の通り道「気管」は、背骨・食道の前にあります!首のかなり前側ですね。では、「息の通る道は、首の前の方にあるんだ」と思って吸ったり吐いたりしてみてください。呼吸に変化はありますか?


上記のことを試してみて、呼吸がしやすくなった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このように認識が変わることで、これまでうまくいかなったことが、すぐに改善されることがあります。
以前の僕は、その「うまくいかないこと」に対して、ひたすら練習するという方法を選択していました。しかし、練習すればするほど改善されるどころか、痛みがひどくなったり、逆にうまくいかなくなってしまうことも多くありました。
それは、自分の体について誤った認識を持ったまま練習し続けた結果とも言えます。
「楽器の練習」というと、実際には楽器を演奏している自分自身の動きの練習とも考えられます。
呼吸、姿勢、唇、顎、舌、お腹、指の動きなどを多くの人が意識していますよね。
けれど「どこをどうやって意識すればいいのか」「実際の体はどうなっているのか」という情報はなかなか得ることができません。
この二つがあいまいなまま、意識しようとすると、あまり効果が得られない・以前より吹きにくくなるということがあります。


「ボディマッピング」は、自分自身の体についての意識をより明確に、正確にして使えるようにする技術です。
アレクサンダー教師養成課程の中では、「教える」練習を始める前に、自分の体についての意識を2年かけて洗練させていきます。僕は今その段階にいます。

このブログでは、僕自身の演奏するときの「どこをどうやって意識する?」「実際の体はどうなっているの?」という疑問を、明確に正確に洗練させていく過程で得た情報や学びをシェアしていきます。


また、この教師養成課程で学んだことを、取り入れたレッスンを10月始めました。
レッスンの問い合わせはこちらからお願い致します。
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森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
プロフィール
アレクサンダーテクニークとの出会い








 






























2013年10月5日土曜日

プロフィール

 

<プロフィール>

 





森岡 尚之 / もりおか なおゆき



1990年生まれ。大阪府高槻市出身。


トロンボーン吹くことをはじめ音楽活動や、
その中で知った「アレクサンダーテクニーク」の
レッスンをしています。



【経歴】
大阪音楽大学卒業。
トロンボーンを今田孝一、呉信一の各氏に師事。

BODYCHANCE教師養成コースで学び、
現在アレクサンダーテクニーク教師実習生として
活動中。


 




2013年10月3日木曜日

再び心が燃え始める~挫折からアレクサンダーテクニークとの出会い~

僕は、自分のトロンボーン演奏と、トロンボーン&金管楽器のレッスン、吹奏楽での合奏指導にアレクサンダーテクニークを取り入れています。
今回は、僕のこれまでの音大卒業当時の話と、それからアレクサンダーテクニークとの出会い、これから目指すものについてお話させて頂きます。


《音大での挫折》
中学の頃からずっと夢見て入った音楽大学を卒業する時のこと、『もう音楽は続けられない、精神的にも肉体的にも完全にまいってしまった。』音楽を嫌いになりたくないけど、苦しい。楽器のことを考えるだけで胸が詰まったように息苦しくなって、吹けば背中と腰が痛く、練習の終わりや本番後にはひどい頭痛と肩こりがやってくる。自分にひどい嫌悪感を持っていて、音を出すことすら苦痛・・・練習もまともにできなくなり、卒業試験の演奏は散々なものでした。
昔は心からトロンボーンが好きだったのに、どうしてこうなってしまったんだろう。なにがいけなかったんだろう。音楽を辞めなら生きる価値を何に見いだせばいいんだろうか。
大学を卒業してから、一歩も前に歩み出せずに、そんなことを考える日々が続きました。

けれどいくら考えてもこれまでの自分の行いをただ責めるばかりで、答えは出ませんでした。
どうして、トロンボーンを演奏しようとすると、体が痛くなってしまうのか、心が苦しくなって不快になるのか当時は本当にわかりませんでした
そして自分にとって重要なのは、どうすればトロンボーンを続けていけるのか、でした。
このままでは心も体も根をあげて、音楽が嫌いになってしまう一歩手前だったのです。

 
《アレクサンダーテクニークとの出会い》
大学を卒業してから一年間、なんとかトロンボーンを続けれるよう試行錯誤を繰り返していました。姿勢や呼吸について色んな書籍を読んだりエクササイズを試したり、奏法についても改めて見直してみたり。しかしどれも根本的な解決には至らず、唯一卒業してから自分で企画して臨んだ演奏会でも、途中で音が全く出なくなってしまい、心が折れかけていました。
 
そんな時、たまたま東京藝術大学でアレクサンダーテクニークの講師をされているバジル・クリッツァーさんのブログを見つけました。そこには、今まで色んな情報に溢れて混乱していた金管楽器の奏法について、体の実際の構造に基づいた、とてもスッキリとして具体的なアイデア、自分の考えやメンタル的な部分が体の痛みと演奏に直接影響を与えているということなど興味深い内容ばかりが目に飛び込んできました。その日から、バジルさんのブログを読んでは、練習する。の繰り返しでした。

 
すると、練習し始めて数分の間、体の痛みがなくなって、呼吸が自由になり久しぶりに自分が吹きたいように吹けたんです!いったいこのアレクサンダーテクニークってなんなんだろう?もしかしたら、もう一度トロンボーンが吹けるかもしれない・・・!!音楽が好きになるかも!という希望が湧いてきました。
そして、このアレクサンダーテクニークというやつに賭けてみよう。これでダメだったら楽器はやめよう。
本当にわらにもすがる思いでした。
 
さっそく大阪梅田にあるBODYCHANCEというアレクサンダーテクニークのスタジオへ体験レッスンを受けにいきました。そこでは、自分の体について今まで間違った認識を持っていたことに気づかせてもらい、先生にサポートしてもらいながら、新しい意識で楽器を吹いてみると・・・すっと今まで聞いたことのないような、遠い昔に聞き覚えのあるような音が出てきました。自然に出てきた豊かで響きのある音・・・これが素直にでた僕の音なんだ・・・!
 
 
それから、しばらくして発表会に出ないかというお誘いがあり、ソロの演奏をすることになりました。
めちゃめちゃあがりまくったけど、レッスンで教わったことや、バジルさんのブログで読んだことで、そのときできそうなことをとにかく実践してみました。演奏はミスばっかりでぼろぼろ・・・だったかも知れない、けれど僕にとっては今までにない初めての体験でした。
それは何かというと、どれだけあがっても、ミスをしても、アレクサンダーテクニーク的なアプローチを使うことで、自分のやりたい音楽を最後まで意図し続けられたんです。いつもはあがりに対する恐怖心や、ミスしたときの動揺、人からの評価、ネガティブな思考が常に自分のやりたい音楽の邪魔をしていたけれど、このときはそれらに邪魔されず、本当に自分の音楽を最後まで考えることができました!!これはとても楽しく喜ばしい体験でした。そうだ、これが自分がやりたいこと!うん、トロンボーンを続けていきたい、続けていける!と確信しました。
再び心が燃え始めるのを感じました。

 
 
 
《教えること》
そんな素敵な体験をした後すぐ、母校の高校へレッスンに行ったとき、あるトランペットパートの生徒との出会いがありました。彼女は二年間、真剣に打ち込んだ吹奏楽部の最後の定期演奏会でソロパートを演奏するようでした。合奏練習でたまたま彼女のソロパートを聞いたのですが、緊張して音がまるで出ない。練習が終わってから彼女に少し声をかけました、小声で「すいません。すいません。」というばかり。それから高校に行くたびに彼女と話をするようになり、すこしずつ望みや悩みを話してくれました。「(部活の)みんなに
迷惑かけてる」「自分はへたくそだからソロなんて吹けない」とネガティブな話ばかり、けど幸いにも「吹けるようになりたい」「吹きたい」という意思が感じ取れました。自分と似てる、それなら役に立てるかも!
それから彼女の演奏を見て、話を聞いて、自分の経験とバジルさんのブログを頼りに少しずつアドバイスをしていくと、だんだん音が出てくるようになってきたんです。そして出てきた音はすごく綺麗な音!
そして音が出るようになるにつれて彼女の印象がどんどん変わっていきました、実際とても明るく好奇心旺盛な生徒だったんです。だんだん彼女のほうから、「これはどうやったら吹けますか?」「いつもこれがうまくいかないんですけど、どうすればいいですか?」ってとてもキラキラした目で聞いてくる。ついこの前までとは見違えるくらい楽器と部活を楽しんでいました。これまた僕にとって素敵な体験でした。
 
自分が今まで苦しんできた経験、そしてアレクサンダーテクニークを使ってそこから健全に自分の好きな音楽を楽しみ上手くなっていく過程が、誰かの役に立つのかもしれない・・・!
それって自分にとってなんて素晴らしいことなんだろうか!!
 

《音楽家のためのアレクサンダーテクニーク教師を目指す》
そんな経緯を経て、現在アレクサンダーテクニーク教師を目指しています!
アレクサンダーテクニークに魅力を感じるのは、
 
・アレクサンダーテクニークを使うことで、ネガティブな思考や評価に邪魔されず、本番で自分のやりたい音楽に集中し続けられること こころから音楽を楽しめること 
 
・自分自身の力で自分の可能性を引き出し、伸ばしていけること
 
・肯定的、前向きなエネルギーを源に上手くなっていけること
 
です。そしてその方法を伝えられる教師になりたいと思っています。
そしてプロアマ問わずパフォーマンスする全ての人々が、その才能を惜しみなく発揮できて、どこへ行っても個性溢れる豊かな音楽を楽しむことができる日本に、なればいいなあと、本気で夢見ています(!!)
 







森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
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2013年9月18日水曜日

自分の体格を活かして吹く

9月16日、バジルクリッツァーさんの『管楽器のためのアレクサンダーテクニークセミナー』にお手伝い兼受講生として参加させて頂きました!

その中で、個人的にレッスンしてもらった内容をシェアします。

レッスンの中で見てもらったのは、『大きい音』について。
吹奏楽や、オーケストラの中で大きな音を吹いても埋れてしまうのが悩みでした。

『大きな音』を意識して吹くと、体に変な力が入って息が吐きずらかったのですが、レッスンの中で体がどんどん息を吐くこと自体はかなりラクになりました。

大きい音を吹くときに
・息をたくさん吐く
・口は緩めてあげる
・タンギングを強めにする
というアドバイスを頂きました。

ここまででかなりヒントをもらったんですが、それを素直に実行できない自分がいる。なんでだろう。

『息をたくさん吐くことや、
それに伴って口を緩くすることを恐れていない?』
と聞かれてピンとくるものがありました。

ひとつは、大学の頃からよく力が入りすぎていると言われていたし、自分でも当時の奏法になにか限界のようなものを感じていて、ある時から『力が入ること』=悪いこと、だと自分の中で言い続けてきたことが原因かも。
だから息をたくさん吐くという、より力を使うことに対して抵抗があったんです。
バジルさんから教わった上記のアドバイスは当時僕が自然にやっていたことと似ています。しかし当時それらのことを自分で『禁止』したことが今も強く残っていたのですね。
このあたりのことは自分自身でもっと深く掘り下げれそう。今わかるのは、その当時、自分の演奏に対して『コントロールの効かない、ただうるさいもの、雑なもの』と思っていて、理想にしたいのは、『もっと効率的な息の使い方や労力で、コントロールできている演奏』でした。
現在の僕の理想とはだいぶ違いますが、当時思っていたことをそのまま言葉にするとこんな感じですね。

さて、ここでもう一つ思い出したことがありました!
大学のころ、常に意識していたプレイヤーがいたこと。その人はとても身近な人で、よく一緒に演奏させてもらうことがあったのですが、その人の奏でる音にすごく憧れていたんです!

『(僕よりも体が小さいのに)よく響いてて、アンサンブルの中でもよく聴こえて、心地よい音色、いいなあ・・・』といつも思っていました。そしてその人の演奏こそ、僕には『効率的で無駄がない』ように思えたのです。
だから自分が演奏するとき、いつもその人の吹き方や姿がイメージにありました!
もちろん僕とは体格が全然違います!
けど吹くときにその人の姿まで、真似しようとイメージしていたので、体に『小さくなれ』と言っていたのとほとんど同じです。もちろん小さくなれと言われても小さくなれるはずないので、体をギュッと固めて緊張するようなことをしていたようです。



【自分の身体のサイズを再認識】
バジルさんからの提案で、

上を向いて天井を見る→天井と自分の距離を確認する


下を向いて床を見る→地面と自分の距離を確認

右を見て右側の壁との距離を確認
左を見て左側の壁との距離を確認

今度は、前を見て前の壁との距離を確認。後ろを見て後ろの壁との距離を確認。
こうすることで、自分の身体のサイズが再認識されていく。窮屈なものが緩んでラクになる感じがしました。

そして、その自分のサイズを意識の中に入れながら、大きな音で吹きたいフレーズを吹いてみる。

最初に書いた、身体の力みや息の吐きづらさが全くなくなって、今までと比べて大きな音が出ました!
何より、久しぶりに自分の体格を使って思いきり吹けたのがとても気持ちよかった!

次の日さっそく吹奏楽の本番で試しました!自分の体格をそのまま使って、必要な力を遠慮なく使うことを許すと、いつもよりアクティブに演奏できました。今までと違うけど、なんかこれが自分の音だって実感がある。
指揮者から「トロンボーンが聞こえない」と言われた箇所も普段よりラクに大きい音で吹けた!
指揮者の方がにこっとしてくれたのも見えましたよ(^^)笑

色んな演奏家の音を聞いて、こんな音を出せたらいいなと思うことはしょっちゅうあるけど、楽器の音色は、人それぞれ違いますよね。身体の使い方も違えば、使っている身体自体、誰一人同じ人はいません。
自分の求めるいい音色は、自分自身をフル活用できた時に出せるのかもしれません♪

ほんとちょっとしたことを思い出しただけなんだけど、今回のレッスンでは、それが大きな変化をもたらしてくれました!



森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
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2013年9月14日土曜日

10ヶ月ぶりの音だし 以前の感覚と違ってOK!

今日は、トロンボーンの方とレッスンさせて頂きました!

楽器を吹くのは10ヶ月ぶり、明日から久々の本番に向けて復帰されるそうで、少しお手伝いさせて頂きました!

・以前と感覚が違っていい
・吹きながら今の自分の音を聴いてあげる
ということを考えて吹くと、とても吹きやすくなった様子。響きも増してました!

加えて、音を出すために必要なことを明確にするために、今回は楽器を口まで持ってくることと、息を上に吐くということを意識して吹いてもらうと、さらに伸びのある音になりました(^^

ブランクから楽器を久しぶりに奏でるのが不安な時に、「以前と感覚が違うことを歓迎する」「今の自分の音を聴いてあげると」と取り組みやすいのかもしれません♪





森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
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2013年9月10日火曜日

音楽そのものを信頼する

2ヶ月ぶりにボディチャンス校長のジェレミーのクラスを受講しました。刺激的な学びが盛りだくさんでした!!

今日紹介するのは、中でも特に印象深かった内容。

クラシック音楽を演奏する人は、楽譜を見て、楽譜に書かれてる音符や記号、標語を見て演奏しますよね。

作曲家の残した音楽(楽譜)を見て、自分の解釈を通して演奏する。僕はそんなイメージを持っています。

しかし、僕はそれをする中で『歌わなくちゃいけない』『表情をつけなくちゃいけない』という考えが強くありました。
それは、まだ演奏に必要な技術を備えてない頃、楽譜に書いてある音を一つ一つ追いかけて鳴らすのに精一杯だったころに『もっと歌にして』『音楽にして』と教わったことがきっかけかもしれません。

だんだん『自分には歌心がないから歌わなくちゃ音楽にならない』『ただ楽譜を見て吹くだけではいけないんだ』と思うようになりました。最初のうちは『歌』を意識することでうまくいっていましたが、だんだん『歌おう』から『歌わなくちゃ』に変わって、それが緊張を引き起こして、ぎこちなくなってしまい、さらに『歌おう』として返ってガチガチの演奏になってしまっていたのです。
『歌心のない自分はなにかを付け加えなくちゃいけない』そんな捉え方をしていたためにプレッシャーも相当感じていました。

今回たまたま他の方が受講されているレッスンの中で表現に関する話題が出たのですが、ジェレミーからその方に向けられた言葉は、

『感情は、音楽が引き出してくれるから、書かれている音楽そのものを信頼して、楽譜に書いてある音楽を演奏してみて』

すごく深い言葉だなあ。これまでの自分の考えがひっくり返る言葉なのになんかすごく説得力ある。なんてことを思っているうちに、受講生の方が再び演奏する・・・

すごい!全然ちがう!
本当にびっくりしました。
一度目の演奏も素敵だったけど、ジェレミーと話してからの、二度目の演奏の方がとても表情豊かに聞こえる。音楽に身を任せているような印象を受けました!

重要なのは、二回目は『表情をつけよう』とするのをやめたこと。なのにさっきより表情豊かになってる。



もちろん、音楽を演奏する上で、歌うことや、表現の仕方を学んだり考えたり、探究することは大事なことだと思います。
『歌おう』『表情をつけよう』『表現しよう』と思いすぎて、あるいはそれらのことをしなくちゃいけないと思うことで、うまくいかないなあと感じたら、書いてある音楽そのものを信頼して、出したい感情は音楽が引き出してくれる、書いてある音楽をそのまま演奏してみると、自分の中にある心地いい音と歌が出てくるかもしれません(^^)




森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
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2013年9月3日火曜日

自分の望みを見つける

先日、高校のとき師事していた先生と金管五重奏の本番でした。
3日前のリハーサルの段階から極度に緊張して、リハでも音がうまく出なくなって、本番までの二日間、調子が悪くなり楽器を吹くことが苦しくなっていました。

「このままじゃ失敗する」「もう呼んでもらえなくなる」「本番行きたくないなあ」とか色々考え始めちゃって。

とは言っても、一度引き受けてリハにも参加した仕事、行くしかない。

こういう時こそ、アレクサンダーテクニークを使ってみようと、今まで教わったことやってみるけど、どれもうまくいかない。...

前日の夜、「やばい。ほんまどうしよ。」って思ったとき、ふと、
『何に対して、こんなに恐怖を感じてるんだろう』と考え始めて、自分の考えていることを一つ一つつまみ出して見ると、『失敗』という言葉に過剰に反応しました。そして『失敗しないようにアレクサンダーテクニークを使おう』としていたのですね!

自分の思考がある程度特定されていくと、『明日って金管五重奏やんね、金5って僕が1番好きなアンサンブルやんか!』と、ここですごい大事なこと思い出しました!

じゃあ単純に金管五重奏の中で演奏したい!演奏するためにアレクサンダーテクニーク使おうってやってみたら、さっき試していたプランもうまく働くようになってようやく自分らしい音になってきた
内心、間に合ってよかったとホッとしました(^^;;


今まで教わってきたことや、身につけてきたことは、自分のやりたいことのために得たもので、やりたいことのために機能するんですね!
それは、失敗しないために身につけたものではないということに改めて気づかされた体験でした。



 

森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
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