2013年10月3日木曜日

再び心が燃え始める~挫折からアレクサンダーテクニークとの出会い~

僕は、自分のトロンボーン演奏と、トロンボーン&金管楽器のレッスン、吹奏楽での合奏指導にアレクサンダーテクニークを取り入れています。
今回は、僕のこれまでの音大卒業当時の話と、それからアレクサンダーテクニークとの出会い、これから目指すものについてお話させて頂きます。


《音大での挫折》
中学の頃からずっと夢見て入った音楽大学を卒業する時のこと、『もう音楽は続けられない、精神的にも肉体的にも完全にまいってしまった。』音楽を嫌いになりたくないけど、苦しい。楽器のことを考えるだけで胸が詰まったように息苦しくなって、吹けば背中と腰が痛く、練習の終わりや本番後にはひどい頭痛と肩こりがやってくる。自分にひどい嫌悪感を持っていて、音を出すことすら苦痛・・・練習もまともにできなくなり、卒業試験の演奏は散々なものでした。
昔は心からトロンボーンが好きだったのに、どうしてこうなってしまったんだろう。なにがいけなかったんだろう。音楽を辞めなら生きる価値を何に見いだせばいいんだろうか。
大学を卒業してから、一歩も前に歩み出せずに、そんなことを考える日々が続きました。

けれどいくら考えてもこれまでの自分の行いをただ責めるばかりで、答えは出ませんでした。
どうして、トロンボーンを演奏しようとすると、体が痛くなってしまうのか、心が苦しくなって不快になるのか当時は本当にわかりませんでした
そして自分にとって重要なのは、どうすればトロンボーンを続けていけるのか、でした。
このままでは心も体も根をあげて、音楽が嫌いになってしまう一歩手前だったのです。

 
《アレクサンダーテクニークとの出会い》
大学を卒業してから一年間、なんとかトロンボーンを続けれるよう試行錯誤を繰り返していました。姿勢や呼吸について色んな書籍を読んだりエクササイズを試したり、奏法についても改めて見直してみたり。しかしどれも根本的な解決には至らず、唯一卒業してから自分で企画して臨んだ演奏会でも、途中で音が全く出なくなってしまい、心が折れかけていました。
 
そんな時、たまたま東京藝術大学でアレクサンダーテクニークの講師をされているバジル・クリッツァーさんのブログを見つけました。そこには、今まで色んな情報に溢れて混乱していた金管楽器の奏法について、体の実際の構造に基づいた、とてもスッキリとして具体的なアイデア、自分の考えやメンタル的な部分が体の痛みと演奏に直接影響を与えているということなど興味深い内容ばかりが目に飛び込んできました。その日から、バジルさんのブログを読んでは、練習する。の繰り返しでした。

 
すると、練習し始めて数分の間、体の痛みがなくなって、呼吸が自由になり久しぶりに自分が吹きたいように吹けたんです!いったいこのアレクサンダーテクニークってなんなんだろう?もしかしたら、もう一度トロンボーンが吹けるかもしれない・・・!!音楽が好きになるかも!という希望が湧いてきました。
そして、このアレクサンダーテクニークというやつに賭けてみよう。これでダメだったら楽器はやめよう。
本当にわらにもすがる思いでした。
 
さっそく大阪梅田にあるBODYCHANCEというアレクサンダーテクニークのスタジオへ体験レッスンを受けにいきました。そこでは、自分の体について今まで間違った認識を持っていたことに気づかせてもらい、先生にサポートしてもらいながら、新しい意識で楽器を吹いてみると・・・すっと今まで聞いたことのないような、遠い昔に聞き覚えのあるような音が出てきました。自然に出てきた豊かで響きのある音・・・これが素直にでた僕の音なんだ・・・!
 
 
それから、しばらくして発表会に出ないかというお誘いがあり、ソロの演奏をすることになりました。
めちゃめちゃあがりまくったけど、レッスンで教わったことや、バジルさんのブログで読んだことで、そのときできそうなことをとにかく実践してみました。演奏はミスばっかりでぼろぼろ・・・だったかも知れない、けれど僕にとっては今までにない初めての体験でした。
それは何かというと、どれだけあがっても、ミスをしても、アレクサンダーテクニーク的なアプローチを使うことで、自分のやりたい音楽を最後まで意図し続けられたんです。いつもはあがりに対する恐怖心や、ミスしたときの動揺、人からの評価、ネガティブな思考が常に自分のやりたい音楽の邪魔をしていたけれど、このときはそれらに邪魔されず、本当に自分の音楽を最後まで考えることができました!!これはとても楽しく喜ばしい体験でした。そうだ、これが自分がやりたいこと!うん、トロンボーンを続けていきたい、続けていける!と確信しました。
再び心が燃え始めるのを感じました。

 
 
 
《教えること》
そんな素敵な体験をした後すぐ、母校の高校へレッスンに行ったとき、あるトランペットパートの生徒との出会いがありました。彼女は二年間、真剣に打ち込んだ吹奏楽部の最後の定期演奏会でソロパートを演奏するようでした。合奏練習でたまたま彼女のソロパートを聞いたのですが、緊張して音がまるで出ない。練習が終わってから彼女に少し声をかけました、小声で「すいません。すいません。」というばかり。それから高校に行くたびに彼女と話をするようになり、すこしずつ望みや悩みを話してくれました。「(部活の)みんなに
迷惑かけてる」「自分はへたくそだからソロなんて吹けない」とネガティブな話ばかり、けど幸いにも「吹けるようになりたい」「吹きたい」という意思が感じ取れました。自分と似てる、それなら役に立てるかも!
それから彼女の演奏を見て、話を聞いて、自分の経験とバジルさんのブログを頼りに少しずつアドバイスをしていくと、だんだん音が出てくるようになってきたんです。そして出てきた音はすごく綺麗な音!
そして音が出るようになるにつれて彼女の印象がどんどん変わっていきました、実際とても明るく好奇心旺盛な生徒だったんです。だんだん彼女のほうから、「これはどうやったら吹けますか?」「いつもこれがうまくいかないんですけど、どうすればいいですか?」ってとてもキラキラした目で聞いてくる。ついこの前までとは見違えるくらい楽器と部活を楽しんでいました。これまた僕にとって素敵な体験でした。
 
自分が今まで苦しんできた経験、そしてアレクサンダーテクニークを使ってそこから健全に自分の好きな音楽を楽しみ上手くなっていく過程が、誰かの役に立つのかもしれない・・・!
それって自分にとってなんて素晴らしいことなんだろうか!!
 

《音楽家のためのアレクサンダーテクニーク教師を目指す》
そんな経緯を経て、現在アレクサンダーテクニーク教師を目指しています!
アレクサンダーテクニークに魅力を感じるのは、
 
・アレクサンダーテクニークを使うことで、ネガティブな思考や評価に邪魔されず、本番で自分のやりたい音楽に集中し続けられること こころから音楽を楽しめること 
 
・自分自身の力で自分の可能性を引き出し、伸ばしていけること
 
・肯定的、前向きなエネルギーを源に上手くなっていけること
 
です。そしてその方法を伝えられる教師になりたいと思っています。
そしてプロアマ問わずパフォーマンスする全ての人々が、その才能を惜しみなく発揮できて、どこへ行っても個性溢れる豊かな音楽を楽しむことができる日本に、なればいいなあと、本気で夢見ています(!!)
 







森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
プロフィール
アレクサンダーテクニークとの出会い

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2013年9月18日水曜日

自分の体格を活かして吹く

9月16日、バジルクリッツァーさんの『管楽器のためのアレクサンダーテクニークセミナー』にお手伝い兼受講生として参加させて頂きました!

その中で、個人的にレッスンしてもらった内容をシェアします。

レッスンの中で見てもらったのは、『大きい音』について。
吹奏楽や、オーケストラの中で大きな音を吹いても埋れてしまうのが悩みでした。

『大きな音』を意識して吹くと、体に変な力が入って息が吐きずらかったのですが、レッスンの中で体がどんどん息を吐くこと自体はかなりラクになりました。

大きい音を吹くときに
・息をたくさん吐く
・口は緩めてあげる
・タンギングを強めにする
というアドバイスを頂きました。

ここまででかなりヒントをもらったんですが、それを素直に実行できない自分がいる。なんでだろう。

『息をたくさん吐くことや、
それに伴って口を緩くすることを恐れていない?』
と聞かれてピンとくるものがありました。

ひとつは、大学の頃からよく力が入りすぎていると言われていたし、自分でも当時の奏法になにか限界のようなものを感じていて、ある時から『力が入ること』=悪いこと、だと自分の中で言い続けてきたことが原因かも。
だから息をたくさん吐くという、より力を使うことに対して抵抗があったんです。
バジルさんから教わった上記のアドバイスは当時僕が自然にやっていたことと似ています。しかし当時それらのことを自分で『禁止』したことが今も強く残っていたのですね。
このあたりのことは自分自身でもっと深く掘り下げれそう。今わかるのは、その当時、自分の演奏に対して『コントロールの効かない、ただうるさいもの、雑なもの』と思っていて、理想にしたいのは、『もっと効率的な息の使い方や労力で、コントロールできている演奏』でした。
現在の僕の理想とはだいぶ違いますが、当時思っていたことをそのまま言葉にするとこんな感じですね。

さて、ここでもう一つ思い出したことがありました!
大学のころ、常に意識していたプレイヤーがいたこと。その人はとても身近な人で、よく一緒に演奏させてもらうことがあったのですが、その人の奏でる音にすごく憧れていたんです!

『(僕よりも体が小さいのに)よく響いてて、アンサンブルの中でもよく聴こえて、心地よい音色、いいなあ・・・』といつも思っていました。そしてその人の演奏こそ、僕には『効率的で無駄がない』ように思えたのです。
だから自分が演奏するとき、いつもその人の吹き方や姿がイメージにありました!
もちろん僕とは体格が全然違います!
けど吹くときにその人の姿まで、真似しようとイメージしていたので、体に『小さくなれ』と言っていたのとほとんど同じです。もちろん小さくなれと言われても小さくなれるはずないので、体をギュッと固めて緊張するようなことをしていたようです。



【自分の身体のサイズを再認識】
バジルさんからの提案で、

上を向いて天井を見る→天井と自分の距離を確認する


下を向いて床を見る→地面と自分の距離を確認

右を見て右側の壁との距離を確認
左を見て左側の壁との距離を確認

今度は、前を見て前の壁との距離を確認。後ろを見て後ろの壁との距離を確認。
こうすることで、自分の身体のサイズが再認識されていく。窮屈なものが緩んでラクになる感じがしました。

そして、その自分のサイズを意識の中に入れながら、大きな音で吹きたいフレーズを吹いてみる。

最初に書いた、身体の力みや息の吐きづらさが全くなくなって、今までと比べて大きな音が出ました!
何より、久しぶりに自分の体格を使って思いきり吹けたのがとても気持ちよかった!

次の日さっそく吹奏楽の本番で試しました!自分の体格をそのまま使って、必要な力を遠慮なく使うことを許すと、いつもよりアクティブに演奏できました。今までと違うけど、なんかこれが自分の音だって実感がある。
指揮者から「トロンボーンが聞こえない」と言われた箇所も普段よりラクに大きい音で吹けた!
指揮者の方がにこっとしてくれたのも見えましたよ(^^)笑

色んな演奏家の音を聞いて、こんな音を出せたらいいなと思うことはしょっちゅうあるけど、楽器の音色は、人それぞれ違いますよね。身体の使い方も違えば、使っている身体自体、誰一人同じ人はいません。
自分の求めるいい音色は、自分自身をフル活用できた時に出せるのかもしれません♪

ほんとちょっとしたことを思い出しただけなんだけど、今回のレッスンでは、それが大きな変化をもたらしてくれました!



森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
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2013年9月14日土曜日

10ヶ月ぶりの音だし 以前の感覚と違ってOK!

今日は、トロンボーンの方とレッスンさせて頂きました!

楽器を吹くのは10ヶ月ぶり、明日から久々の本番に向けて復帰されるそうで、少しお手伝いさせて頂きました!

・以前と感覚が違っていい
・吹きながら今の自分の音を聴いてあげる
ということを考えて吹くと、とても吹きやすくなった様子。響きも増してました!

加えて、音を出すために必要なことを明確にするために、今回は楽器を口まで持ってくることと、息を上に吐くということを意識して吹いてもらうと、さらに伸びのある音になりました(^^

ブランクから楽器を久しぶりに奏でるのが不安な時に、「以前と感覚が違うことを歓迎する」「今の自分の音を聴いてあげると」と取り組みやすいのかもしれません♪





森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
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2013年9月10日火曜日

音楽そのものを信頼する

2ヶ月ぶりにボディチャンス校長のジェレミーのクラスを受講しました。刺激的な学びが盛りだくさんでした!!

今日紹介するのは、中でも特に印象深かった内容。

クラシック音楽を演奏する人は、楽譜を見て、楽譜に書かれてる音符や記号、標語を見て演奏しますよね。

作曲家の残した音楽(楽譜)を見て、自分の解釈を通して演奏する。僕はそんなイメージを持っています。

しかし、僕はそれをする中で『歌わなくちゃいけない』『表情をつけなくちゃいけない』という考えが強くありました。
それは、まだ演奏に必要な技術を備えてない頃、楽譜に書いてある音を一つ一つ追いかけて鳴らすのに精一杯だったころに『もっと歌にして』『音楽にして』と教わったことがきっかけかもしれません。

だんだん『自分には歌心がないから歌わなくちゃ音楽にならない』『ただ楽譜を見て吹くだけではいけないんだ』と思うようになりました。最初のうちは『歌』を意識することでうまくいっていましたが、だんだん『歌おう』から『歌わなくちゃ』に変わって、それが緊張を引き起こして、ぎこちなくなってしまい、さらに『歌おう』として返ってガチガチの演奏になってしまっていたのです。
『歌心のない自分はなにかを付け加えなくちゃいけない』そんな捉え方をしていたためにプレッシャーも相当感じていました。

今回たまたま他の方が受講されているレッスンの中で表現に関する話題が出たのですが、ジェレミーからその方に向けられた言葉は、

『感情は、音楽が引き出してくれるから、書かれている音楽そのものを信頼して、楽譜に書いてある音楽を演奏してみて』

すごく深い言葉だなあ。これまでの自分の考えがひっくり返る言葉なのになんかすごく説得力ある。なんてことを思っているうちに、受講生の方が再び演奏する・・・

すごい!全然ちがう!
本当にびっくりしました。
一度目の演奏も素敵だったけど、ジェレミーと話してからの、二度目の演奏の方がとても表情豊かに聞こえる。音楽に身を任せているような印象を受けました!

重要なのは、二回目は『表情をつけよう』とするのをやめたこと。なのにさっきより表情豊かになってる。



もちろん、音楽を演奏する上で、歌うことや、表現の仕方を学んだり考えたり、探究することは大事なことだと思います。
『歌おう』『表情をつけよう』『表現しよう』と思いすぎて、あるいはそれらのことをしなくちゃいけないと思うことで、うまくいかないなあと感じたら、書いてある音楽そのものを信頼して、出したい感情は音楽が引き出してくれる、書いてある音楽をそのまま演奏してみると、自分の中にある心地いい音と歌が出てくるかもしれません(^^)




森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
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2013年9月3日火曜日

自分の望みを見つける

先日、高校のとき師事していた先生と金管五重奏の本番でした。
3日前のリハーサルの段階から極度に緊張して、リハでも音がうまく出なくなって、本番までの二日間、調子が悪くなり楽器を吹くことが苦しくなっていました。

「このままじゃ失敗する」「もう呼んでもらえなくなる」「本番行きたくないなあ」とか色々考え始めちゃって。

とは言っても、一度引き受けてリハにも参加した仕事、行くしかない。

こういう時こそ、アレクサンダーテクニークを使ってみようと、今まで教わったことやってみるけど、どれもうまくいかない。...

前日の夜、「やばい。ほんまどうしよ。」って思ったとき、ふと、
『何に対して、こんなに恐怖を感じてるんだろう』と考え始めて、自分の考えていることを一つ一つつまみ出して見ると、『失敗』という言葉に過剰に反応しました。そして『失敗しないようにアレクサンダーテクニークを使おう』としていたのですね!

自分の思考がある程度特定されていくと、『明日って金管五重奏やんね、金5って僕が1番好きなアンサンブルやんか!』と、ここですごい大事なこと思い出しました!

じゃあ単純に金管五重奏の中で演奏したい!演奏するためにアレクサンダーテクニーク使おうってやってみたら、さっき試していたプランもうまく働くようになってようやく自分らしい音になってきた
内心、間に合ってよかったとホッとしました(^^;;


今まで教わってきたことや、身につけてきたことは、自分のやりたいことのために得たもので、やりたいことのために機能するんですね!
それは、失敗しないために身につけたものではないということに改めて気づかされた体験でした。



 

森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
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2013年8月14日水曜日

音を出すために必要な力

前回の記事《自分にとって謎だった「アンブシュア」がすっきり解決》の中でも少し触れましたが、バジルさんのレッスンの中で何度か出てきた「マウスピースを口につけて、口を閉じて、息を吐く」というアイデア。このアイデアをレッスンを受けながら実際にやってみた結果、自分が感じたり考えたこと。

これは、金管楽器で音をだすために必要なことをとてもシンプルに説明したアイデアだと思いました。
金管楽器で音を鳴らすために必要なことは、
1.マウスピースと唇が接着している
2.上下の唇が閉じてある
3.息が閉じてある唇を押し開ける
4.息によって押し開けられた唇が再び閉じる
後は、3と4の繰り返し・・・がバズィングとなっているわけですね。

では、実際に1から順番にやっていきます。

マウスピースを自分の唇にくっつける・・・
やってみようとすると、これがなかなかできないことに気づきました!
やりたいことはマウスピースを唇につける、ただそれだけ。
唇、口周辺は何もしなくていいのです。
けれどマウスピースが触れるちょっと前、いや、楽器を構え始めるとき、いや、吹くと決めた瞬間にも唇と口周辺で何かが起こりました。いわゆるアンブシュアを作ろうとする動きです。
意識的にやってるわけではありませんが、マウスピースが近づいてくるのに反応して、またはこれから吹こうとする音を吹いているときの感覚を再現しようとして、口が少し強張るのを感じました。


しかし、これからすることは、マウスピースを唇にくっつけるだけ。
意識してやると簡単にできますね。でも新鮮な感覚でした笑
バジルさんの提案で、マウスピースを唇につけたまま適当にしゃべってみる。

これまた新鮮!でもいつもマウスピースが触れるときに起こるアンブシュアを作ろうと唇を強張らせることは必要ないのかも、と思える実験でした。


さあ、マウスピースを唇にただつけることができたら、次は口を閉じる。
ぎゅっと固めるのではなく、上下の唇を閉じ合わせる感じですね。

そしたら「息を吐いて!」ってなるのですが、これがどうにも不安でなりません。
口を閉じた状態で音が鳴るの??って疑っていました。
何回かそんな疑問を持ちながら息を吐いてみるけど、なかなか音が出ない。
とりあえずバジルさんのことを信用して笑、思いっきり息を吐いてみると、音が出ました!
周りで聞いていた方からは、音が伸びやかになった!とフィードバックを頂きました。


バジルさんからの質問がきっかけで、自分自身への問いかけが始まりました。
バジルさん「力を使うことを恐れていない?」

その通りでした。
いい音を出すために、体の力を抜こうとしていました。リラックスさせようと。
大学のときに、すごく力んで吹いてて、音程は上ずるし、音色は固くなるし、タンギングはつぶれるし、それらをよくしたくて、脱力しようとしていました。
力で吹くこと=悪いことってイメージをなんとなく持っていました。

でも実際にほんとに力を抜いて吹くと、吹けないんですね。でも力入れちゃいけない、抜かなきゃって思ってるから、混乱していました。


今回、「マウスピースを口につけて、口を閉じて、息を吐く」というアイデアをやってみて、音を出すためにどこにどれくらいの力が必要なのか、少し理解できました。
閉じてある唇を押し開ける息の力は、自分が思っていたよりも使う必要がありました。
そして息の力はどこが担っているかというと、主に腹筋や骨盤底筋群なんだと。
骨盤底の方は感じることが難しいですが、腹筋はかなり活発に働くようになってなかなか大変でした!でもお腹を使って吹くっていうのはこういうことなのか!ばっちり力使ってるやんって実感しました。そして息の力だけだと、唇はどんどん開いていっちゃうので、口を閉じ続ける力も必要。


高い音を出すためには、より口を閉じる力が必要で、それを押し開ける息の力も強くなります。
閉じ加減やそれに伴う息の強さは変わるけど、低い音を吹くときにも同じように、口を閉じる力とそれを押し開ける息の力は必要なんだと感じました。

余分な力を抜く、というのを、必要なとこにに力を使うに置き換えることができますね!
これからのアプローチが変わってきます♪


最後に「息の力で閉じてある唇を押し開ける」ことに関連して、バジルさんのクリニックのなかでこんな話がありました。

アンブシュアという言葉は、フランス語で「河口」を意味する言葉なんだそうです。
河口といえば、川の水の流れによって、周りの土地が削られて、河口の地形を形成していますね。
金管楽器のアンブシュアも、息が唇を押し開けた結果生まれるもので、アンブシュアの形を決めるのは「どんな息を吐いているか」で決まるそうです。
この話を聞いて、バジルさんのこのアイデアに、さらに説得力を感じました。







森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
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2013年8月13日火曜日

自分にとって謎だった「アンブシュア」がすっきり解決!

8月5日~8日にかけて、宝塚歌劇オーケストラトロンボーン奏者であり、僕の母校大阪音楽大学の講師をされている山下浩生先生主催の合宿が行われました。今回はゲスト講師として、アレクサンダーテクニーク教師のバジルクリッツァーさんのクリニックも開催され、両先生のレッスンをたっぷりと受講できるとても充実した合宿でした!

これから、合宿で学んだことをいくつかに分けて紹介していきたいと思います。

今回は、僕が個人的にとっても混乱してずっと悩んできたアンブシュアについて。
今までの考え方ががらりと変わりました・・・

では、アンブシュアについてどんなことを悩んでいたのかというと、
1.楽器を吹くときに左の頬がふくらむこと
2.マウスピースと唇がくっつく場所が左に寄っていること

大学に入ってから特に気になり始めて、なんとかこの二つを直さなきゃいけない。
直さないと上手くなれないんじゃないかという不安が常にありました。
実際にレッスンしてくださった先生方からも「膨らまさない方がいいよ」とアドバイスをもらっていたし、自分自身その方が息がストレートに楽器に入るんだからそうしなきゃいけないと思っていました。

しかし、アンブシュアというのは、悩みだしたらきりがないほど、様々な情報がありますね!
口を横に引いて、口を横に引いてはいけない、アンブシュアは中央に寄せて、唇はリラックスさせて、息で吹いて、唇で吹かないで、ほっぺたは膨らまないように、ほっぺた膨らむくらいたくさん息つかって、プレスしてはいけない、プレスは必要、などなど、これらは僕が実際に教わったことや当時調べて得た情報の一部です。
何が良くて何が悪いか、ではなく、これだけたくさんの情報があれば混乱してしまうのも無理ないですね。
もちろんこれらの情報が一度にいっぺんに入ってきたわけではありません。

今まで新しく得た情報をたよりに新しいアンブシュアをひたすら試して体に覚えさせようとしていました。
なぜその新しいやり方を身につけようとしたかについては、理由があります。
そのやり方を教えてもらって、試してみたその場面、その瞬間では、けっこう上手くいったからです。けれど僕は、アンブシュアについて「固定的な型」として捉えていました。そしてどんないかなるときでも、その同じ口の形で吹かなきゃいけないんだという考えがかなり根本的なレベルであったんです。それこそが安定したアンブシュアだと思っていました。


けれどその考えで、新しいアンブシュアを身につけようと、練習すればするほど音が出にくくなって、曲が吹けなくなっていったのでした。
そんな中、やはり演奏会で演奏する機会もあるわけで、その時だけはとにかく音が鳴るやり方で吹いていましたが、自分に課したアンブシュアのルールを破ったことの罪悪感を感じたり、演奏中にアンブシュアに関して「やってはいけないこと」がたびたび頭をよぎるようになったのです。
そこからアンブシュアについては迷宮入りになってしまっていました。

なのでここのところ、アンブシュアについて考えることはほとんど放棄していたのですが、
今回両先生のレッスンを受講することで、アンブシュアについての意識がまるで変わりました!!



合宿初日、山下先生のレッスンにて
練習曲を演奏しました。山下先生はぼくがアレクサンダーの勉強をしていることもご存知で、
話は体の使い方や演奏するために何を考えているかという話題に。
頬が膨らんでいることも話題にあがりました。
僕の演奏に対して、先生のフィードバックは、「必要な力(圧力)を頬にたまった空気の圧力で補っているように見える」というようなものでした。そして頬が膨らむのは「頬が演奏に参加していないから」なのかもしれないと。
たしかにそうかもしれない。前は頬が膨らまないようにほっぺを固くしようとしてて、それじゃあどうにも演奏どころじゃなくなってしまうから、あきらめて放棄していました。
だから頬も演奏に参加させるというのは、とても魅力的なお言葉でした。
そして、確かに必要な圧力を頬に溜まった息の圧力で補っていた感がありました。

次の日、実際に頬も演奏に参加しているという意識で楽器を吹くと、頬の膨らみが減って、それによって唇が外にに引っ張られることも少なくなったのでかなり楽になりました。


そんな二日目、バジルさんのレッスン
お昼過ぎにバジルさん到着。全体のクリニックは三日目に予定されていたので、この日はバジルさんが合宿場をぶらぶらするので質問したい人はなんでも聞いていいよ、という時間に。

そこで、他の方がレッスンしてもらっているときに、「マウスピースを口につけて、口を閉じて、さあ息吐いて!」というアイデアが出ました。
これ、バジルさんのブログの中でもよく出てくる話なんですが、よくわからないままでいました。
「口閉じちゃって音鳴るの?」って。
でもそのレッスンを受けてる方は、そのアイデアで吹いてみると音がまるで変わった!!響きがまして伸びやかになっていました。想像してた結果とはまるで逆・・・笑

これはぜひ自分でもやってみたいと、まずマウスピースをくっつけてみるんだけどこの時点で、すごく心地悪い。それで吹いてみても上手く音がでない・・・
それを見ていたバジルさんが「森岡くんは唇の左側にもマウスピースをプレスしてみたら?」という提案をくださいました。
やってみるとかなり違和感あるけど。今まで感じたことがないくらいすごくフィットした感覚で、すごく簡単に音が出た。
そこでバジルさんが「アンブシュアを真ん中にしようとしていない?」と。

そうなんです!だってそれが正しいアンブシュアと思っていたから!
本来真ん中であるべきものが自分は左にずれちゃってるんだって。
そう教えられたしそう信じてた。
で、常にそこまで意識してるわけじゃないんだけど、ほとんど無意識にマウスピースを口につけてから真ん中にずらそうとしたり、真ん中側にだけプレスをしていたんです。

つまりマウスピースの右側は唇とくっついていて、左側はあまりくっついていない状態。
左の頬が膨らむ原因もここにあるようでした。

今回バジルさんが新たな角度から教えてくれたのは「左よりなのが森岡君の自然なアンブシュアなのかもしれない」ということ。
この考え、なかったです。やはり真ん中が絶対に正しくて、ほんとは真ん中がいいんだけど左寄りでしか吹けない自分に後ろめたさがありました。

今回の両先生のレッスンで、
・ほっぺたは膨らませちゃいけない→どうしても膨らんじゃう→ほっぺたのことは放棄!
・左に寄ってしまったアンブシュアをほんとは真ん中にしなくちゃいけない

と考えていたのが、

・ほっぺたも演奏に参加させる
・僕のアンブシュアは左よりが自然。左側にも十分プレスしてあげよう

とても建設的な考え方になりました!!
ほんとにもう「悩み」を通りこして「謎」な領域だったんですがとてもすっきりしました。

次回は「マウスピースを口にくっつけて、口閉じて、息を吐く!」のアイデアで吹いてみると音がどんな風に変化したか。閉じてから息を吐くというのはどういうことなのか、まとめたいと思います♪



森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
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